地図の上の経路を鉛筆で確かめる手と、二枚の切符や青い鞄
帰りの道まで見渡して、往復の支度を整えます。
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三つ重なる日という言い方はよく見るのに、凶日きょうじつが三つ並ぶ日は聞かないと思いませんか。

十二日ごとの寅の日と、六日ごとに巡る大安。この二つはかみ合いやすく、まとまって現れる時期があります。そこへ不成就日ふじょうじゅびが重なる日を、旧暦きゅうれきの月日から確かめます。六曜ろくようと不成就日は旧暦の月替わりに起点きてんが変わるので、三つの周期を単純に掛け合わせても間隔は求められません。

この日を人に説明するとしたら、いくつ重なった日と呼べばよいでしょう。三つと数えるか、それとも二つと一つに分けるか。この迷いのなかに、暦注れきちゅうの語彙ごいの偏かたよりが顔を出しています。

寅の日と大安に不成就日が乗る日がわかる3つのこと

  1. 数え上げられるのは好ましい側だけです。 二つ重なる日、三つ揃う日という言い方は、良いとされる注記ちゅうきにしか使われません。
  2. 数えているのは日の性質ではありません。 その日を勧める理由が何本あるか、という本数を数えています。
  3. 暮らしに響くのは数より混雑です。 縁起物えんぎものの売り出しと、窓口や会場の予約。この日は両方が来ます。

数より、当日の混み具合のほうが効いてくる

重なりの本数は暮らしに響きませんが、混雑ははっきり響きます。寅の日とらのひには財布や縁起物の売り出しが集まり、大安たいあんの日は会場や窓口が埋まります。ですから、置くなら混雑と関係のない用事のほうが向きます。

混雑と関係のない4つの用事

  1. 出したまま戻っていないお金や貸し物を一つ選んで、確認の連絡を入れます。 催促の形にしないのがこつです。
  2. 往復のある移動が控ひかえているなら、帰りの段取だんどりまで押さえます。 行きだけ決めて放ってある予定はありませんか。
  3. 相手のある予定は、日取ひどりの説明が要らないという利点だけを借ります。 大安の働きは、そこに集中しています。
  4. 買い物は上限額を決めるところまでにして、支払いは別の日に置きます。 決めることと払うことを分けます。

帰りの予定を、一行ずつ埋める

往路だけ決めてある用事なら、帰る日の欄を開いてみます。出先を何時に出るか、駅や停留所までどう移動するか、帰宅後に必要な用事はあるか。空いているところを一行ずつ埋めます。誰かに迎えを頼むなら、到着の時刻と場所を一緒に伝えましょう。地図と予定を並べてみると、急いで乗り継ぐところや、余裕を取れるところが見つかります。その日は予約まで進めなくても、確かめたい点を残せます。

数を足すのは、好ましい側だけという習わし

暦注の重なりを語る言葉は、片側にしか用意されていません。凶とされる注記が同じ日にいくつも重なることは、計算のうえでいくらでも起こります。ところが、それを数え上げて名前をつけた案内はまず見かけません。同じ暦注下段れきちゅうげだんの引き出しから出てきた項目なのに、足し算されるのは片方だけなのです。

理由はおそらく、暦注の使い道にあります。日取りを選ぶ側が欲しいのは、候補を絞るための後押あとおしです。好ましい理由が三つ並べば、その日に決めてよいという踏ん切りがつきます。一方、避けるべき理由を三つ並べても、候補が消えるだけで次の一手は出てきません。

日を選ぶ道具としては、足す方向のほうが役に立ちます。だから足し算の言葉ばかりが残った。暦の記述がそうなっているわけではなく、使う人の都合が語彙を偏らせたと考えると、話の筋が通ります。裏を返すと、不成就日を数に入れていない案内を見たときに、なぜ入っていないのかが分かります。悪意ではなく、そういう数え方の癖なのです。

次に確かめる用事を残す

三つそろう日を目印にするなら、次に確かめる用事も手帳に残しておきます。回収の連絡や帰りの便の予約は、それぞれの期限に合わせて。上限額を決める作業は、買い物の予定を立てるときに置くと進めやすくなります。

三つの注記が並ぶ日に手をつけたことを記録しておけば、あとから振り返れます。数の話に乗るかどうかを自分で決められるなら、この日は気持ちよく使えます。

よくある質問

Q. 吉日が二つ、凶日が一つ。差し引きで吉になるのですか

引き算をするための目盛めもりが、そもそも暦にありません。吉日きちじつどうしの格付けはあっても、吉と凶を同じ物差ものさしに載せる決まりは残っていないためです。

Q. この並びの日程は、どう確かめますか

十二日、六日、八日という三つの周期が同時にそろう必要があるうえ、六曜と八日ごとの注記は旧暦の月替わりで数え直されます。その年の暦で、それぞれの注記が同じ日に載っているか確かめます。

Q. 大安の日の混雑は、どのくらい違いますか

式場や施設では料金設定が変わることもあり、土曜や日曜と重なると予約はかなり取りにくくなります。平日の大安を候補に入れておくと、選択肢が広がります。

出典

  • 暦注下段に並ぶ吉凶きっきょうの項目についての暦書れきしょの解説
  • 日の十二支じゅうにしと六曜の周期の関係を示した暦の記述