
しばらく見かけなかった組み合わせが、急に同じ月へ二度も三度も並ぶ。カレンダーでそんな並びを見たことはありませんか。
種明かしは周期の長さにあります。寅の日は十二日ごと、大安は六日ごと。十二は六の倍数なので、旧暦の同じ月の中では、一度重なった日から十二日後にも、同じ組み合わせが戻ってきます。
もっとも、この連なりは永遠には続きません。旧暦の月が替わるところで六曜の並びがいったん飛ぶため、そこで縁が切れます。まとまって現れては、ふっといなくなる。 カレンダーの上で不規則に見える理由は、この二つの事情の合わせ技です。
寅の日と大安の重なりがわかる3つのこと
- 旧暦の同じ月なら、十二日後にもまた立ちます。 周期が倍数の関係にあるためで、同じ月に続けて並ぶことがあります。
- 出発の日取りに、二つの理由から選べます。 無事に帰り着く願いと、日取りの説明のしやすさ。性質の違う二つがそろいます。
- 混みやすい日でもあります。 縁起物の売り出しと、会場や窓口の予約。両方の混雑がやってきます。
帰りの段取りまで含めて決める
行きの支度だけ整えて帰りを決めていない用事があれば、この日に後半を組んでおくと言い伝えの筋に沿います。引っ越しのように戻らない前提の移動には、別の暦注が当てられてきました。往復するかどうかで日取りを分ける発想は、いまの暮らしでは抜け落ちやすいところです。
往復の予定を決める4つの段取り
- 出張や遠方への受診など、行って帰る予定の日程を確定させます。 相手のある日程ほど、この日が向きます。
- 久しぶりの帰省なら、滞在の長さと帰りの便まで押さえます。 帰りを決めると、滞在中の予定も組めます。
- 財布や定期入れを使いはじめる日にあてます。 買った日ではなく、持ち歩き始める日を合わせます。
- 直近ひと月の支出を、戻ってきた実感のあるものとないものに分けます。 分類するだけで、次の判断が変わります。
二人で出かけるなら、荷物も分担する
日程がそろったら、当日に一緒に使うものを確認しておきます。予約の控えを持つ人、連絡先を確かめる人、帰りの時刻を見る人。二人とも持っているつもりで、どちらも用意していなかったものがないか、出発前に短く話します。荷物は必要な場面を思い浮かべながら入れると、駅で取り出すものも見つけやすくなります。日付だけでなく、行き帰りの小さな役割まで決まると、出発の朝を落ち着いて迎えられます。
出発の日を選ぶ、二つの理由
どちらの日も旅立ちの日取りに使われてきましたが、理由はまったく違います。
寅の日が旅に結びついたのは、無事に帰り着くことを願ったからです。徒歩の道中で病や事故に遭えば、そのまま戻れないこともあった時代の感覚が、千里を往って千里を還るという句に残っています。行った先で何を得るかは二番目の話でした。
大安のほうは、一日のうちで時間を選ばなくてよいという扱いから選ばれます。守りたい相手がいるというより、日取りを人に説明する必要がある場面で力を発揮する日です。願いの向きと、説明のしやすさ。性質の違う二つがそろうので、往復のある予定を人と決めるときには、この日がいちばん座りがよくなります。
混みやすい日でもあります
大安の日は式場や施設の予約が取りにくく、費用も上がりがちです。寅の日には財布や縁起物の売り出しが重なります。二つがそろった日は、この両方の混雑がやってくると考えておいたほうが現実に合います。
買うかどうかは日取りと切り離して決めて、日取りのほうは使いはじめの区切りに使う。順番をこう置いておけば、売り出しの勢いに引きずられずに済みます。同じ月に続けて立つ性質も、ここで効いてきます。次の候補日を暦で確かめておけば、慌てて決める理由はなくなります。
よくある質問
Q. 寅の日と大安がそろう日は、年にどのくらいありますか
年によって大きく変わります。まとまって現れる月があるかと思えば、しばらく途切れることもあります。六曜が旧暦の月替わりで数え直されるため、回数が一定になりません。
Q. 引っ越しの日をこの組み合わせで選んでもよいのですか
大安のほうは日取りの説明に使えます。ただ寅の日は往復する予定に向く日とされてきたので、戻らない前提の移動を寅の日で選ぶ習わしは伝わっていません。
Q. 旅行の出発日と帰宅日、どちらを合わせればよいのですか
古い使われ方でいえば出発の日です。無事に帰り着くことを願って出る日を選んだ、という順序でした。帰りの日を選ぶ習わしは残っていません。
出典
- 日の十二支が十二日で一巡することを示す暦の解説
- 旧暦の月替わりと六曜の並びについての説明