二つの旅行鞄と路線を描いた地図、二枚の切符、二杯のお茶
出かける日を相談するときは、帰る段取りも一緒に。
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三つ揃った日と聞くと、何を置いてもよい日のように思えてきませんか。

立つ年と、一日も立たない年があります。三つの暦注れきちゅうがそれぞれ違う周期で動いているためで、数年に一度しか揃いません。それぞれの周期を知ると、次に揃う日も暦から探せます。

しかも三つは、見ている動きの向きが違います。片道の行事に使われてきた注記ちゅうきと、行って還ることを重く見る注記が、同じ日に同居している形です。

一粒万倍日・寅の日・大安が揃う日でわかる3つのこと

  1. 二つは干支えとから、一つは割り算から来ています。 出どころが違うので、並びが揃う機会は限られます。
  2. 大安たいあんは片道の行事に使われてきました。 婚礼こんれい、引き渡し、開店。どれも一度きりで戻ってこない前提の行事です。
  3. 寅の日とらのひは往復を重く見ます。 遠くへ出て無事に還ることが言い伝えの中心にあります。

二つは干支から、一つは割り算から

一粒万倍日と寅の日は、どちらも日の十二支じゅうにしを見ています。片方は月との組み合わせで拾い、もう片方は寅の日をそのまま数えるという違いはありますが、根は同じ干支の並びです。

大安だけが別の系統けいとうです。むかしの暦の月と日を合計し、六で割る。その余りが六曜ろくようのどれかを指します。占いのような判定はしていません。しかも旧暦きゅうれきの月が替わるところで並びが飛ぶので、干支の周期とは足並あしなみがそろいません。

三つ揃う日が数年に一度しかないのは、この足並みの違いから来ています。

片道の行事と、往復の日

大安が使われてきた場面を思い出すと、式を挙げる日、鍵を渡す日、店を開ける日が並びます。どれも一度きりで、戻ってこないことを前提にした行事です。一方の寅の日は、千里せんりを往って千里を還るという句で説明されてきました。見ているのは増減ぞうげんではなく、出したものが減らずに戻るかどうかです。

ですから三つ揃った日を、無条件に何でも置ける日と読むのは少し乱暴です。人と交わす大きな約束を置きたいなら大安の側を、出したものの行き先を確かめたいなら寅の日の側を主にすると、迷いが減ります。

三つ揃った日に置きやすい4つのこと

  1. 相手のある予定を決めます。 日取ひどりの理由を説明する手間が減ります。
  2. 続く形の申し込みを一つ済ませて、初回の日付まで書き留めます。
  3. 往復のある移動、たとえば出張や帰省の日程を確定させます。
  4. 契約の条件だけ読み込んでおいて、署名は後日ごじつにします。

最後の項目は、三つ揃った日ほど大事になります。良い日だからと条件を飛ばして進めると、あとから出てくるものは日取りと関わりなくやってきます。

始めたいことから、暦を読む

三つの暦注には、それぞれの由来と意味があります。日取りを選ぶときは、始めたいことに合う意味から読んでみてください。

手帳に気になる日を見つけたら、先延ばしにしていた用事を一つ選んでみます。調べものをする、必要な道具をそろえる、予定を相談する。始めやすいところから、暮らしの予定へつなげてみてください。

暮らしの中で試すなら

帰省の日取りを決めるなら、行きの到着時刻と、帰りに家へ着きたい時刻を一緒に書いてみましょう。迎える人には滞在時間を伝え、帰宅後に片づけや休息を取れるかも確かめます。候補日を比べるときは、三つの暦注に加えて、この往復の都合を並べます。出発だけで予定を埋めないための小さな確認です。

よくある質問

Q. 三つ揃った日は、旅行に出るのに向きますか

寅の日が乗っているので、行って還る動きを重んじる読み方には合います。帰りの段取だんどりまで組んでおくと、言い伝えの筋には沿います。

Q. 大きな契約を結ぶ日にしてもよいですか

大安が乗っているぶん、相手方への説明はしやすい日です。ただ、条件の読み込みは日取りと別の作業なので、そこだけは急がずに進めるほうが安心です。

Q. 三つ揃う日は毎年ありますか

年によっては一日も立ちません。六曜と干支の周期がずれているためで、立つ年でも年に一度あるかどうかです。

出典

  • 六曜の余りによる算出法についての解説書の記述
  • 干支による選日せんじつの立て方を示した暦書れきしょの記載きさい