秋の谷と曲がりくねる川の上を滑空する鷲
少し離れたところから、気になることの全体を見る。
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蠍座さそりざの期間なのに鷲の名前、というずれが気になったことはありませんか。

イーグルズゲートは、太陽が蠍座に入るころに始まるとされます。ところが蠍座の記号はサソリで、鷲ではありません。水瓶座みずがめざの扉が天使と呼ばれるのと同じように、ここにも呼び名のずれがあります。

ただし理由は別のところにあって、そこを知ると蠍座という星座の見え方まで変わってきます。 日本の暦では霜降そうこうのころ、日の入りが目に見えて早くなる時期に重なります。

イーグルズゲート開始がわかる3つのこと

  1. 入口は十月二十三日ごろ。 太陽が蠍座に入る日が起点きてんになります。
  2. 蠍座には象徴しょうちょうが四つあります。 サソリ、蛇、鷲、そして不死鳥ふしちょうです。
  3. 入口では答えを出さなくて構いません。 引っかかりの位置が分かれば十分です。

詳しく語る前に、位置を確かめる

開始日にできることは、まだ入口を確かめる程度で十分です。

蠍座の入口に向く4つ

  1. 気になっているのに手をつけていないことを、一行だけ書き出す
  2. 繰り返し思い出してしまう場面を、批評せずに書き留める
  3. 会うたびに疲れる相手について、頻度ひんどだけ記録してみる
  4. 秋のあいだ放置していた書類や写真を、まとめて一か所に集める

答えを出さないことが要点です。 何が引っかかっているかの位置が分かるだけで、この日の役目は果たせます。

深さを、怖さにすり替えない

この星座の紹介文には、破壊や試練といった強い言葉が並びがちです。それを真に受けて身構えると、必要以上に緊張します。手放しを迫るような案内を見たときは、いったん保留ほりゅうにしてください。

今はそっと置いておきたい気持ちも、自分のペースで扱っていきます。特に、一人で扱うには重すぎる出来事については、日を選んで向き合うより、話せる相手を確保するほうが先です。暦の区切りは、そのきっかけにはなっても、対処そのものにはなりません。

高いところから眺める

鷲という象徴が示しているのは、距離の取り方だと思います。渦の中にいるあいだは、渦の形は見えません。少し離れてみると、続けるべきものと、そろそろ終わっているものの区別がつきます。

夕暮れが早くなったぶん、夜が長い。暖かい飲み物を用意して、何も予定を入れない夜を一晩だけ作る。入口としては、それで足ります。

食べもので言えば、この時期は根菜と柿がおいしくなります。土のなかで育ったものを煮て食べると、体の芯が温まる。深いところを見る期間だからといって、内省ないせいばかりする必要はありません。 台所に立って手を動かしているうちに、考えの整理がついてしまうことのほうが、実際には多いものです。

この星座には、生き物が何匹もいる

ここから名前の由来です。

西洋占星術せいようせんせいじゅつでは昔から、蠍座に複数の象徴が結びつけられてきました。地を這うサソリ。脱皮だっぴを繰り返す蛇。空を舞う鷲。そして、焼かれても甦る不死鳥です。

サソリと鷲は、どちらも一撃で相手を仕留める力を持ちながら、いる場所が正反対だと説明されます。片方は石の下、片方は高い空。同じ性質が、どの高さから使われるかで意味を変える、という読み方です。不死鳥のほうは比較的新しく、二十世紀以降の占星術せんせいじゅつのなかで、死と再生の象徴として加えられていきました。

古い図像ずぞうの側でも、この位置には鷲が置かれています。四つの生き物を並べた古代からの図で、獅子しし・牛・人と組み合わされる四番目は鷲です。本来ならサソリが来るはずの場所に鷲がいるのは、猛毒を持つ生き物を神聖な図像に入れることを避けたからだ、という説明が知られています。

イーグルズゲートという呼び名は、この長い置き換えの上に立っています。蠍座なのに鷲、という違和感は、間違いというより、星座が抱えてきた重層じゅうそうのあらわれです。

サソリが空に上げられた理由

星座としての来歴らいれきも見ておきましょう。ギリシア神話では、狩人かりゅうどオリオンが自らの腕を誇ったことに怒った神が、一匹のサソリを放ったと語られます。刺されて命を落としたオリオンは星座になり、サソリもまた星座になった。二つが同時に空へ出ることがないよう配置されているのは、そのためだと説明されます。

蠍座の中心にあるのが、赤く光る一等星アンタレスです。名前は「火星に対抗するもの」という意味で、色も明るさも火星とまぎらわしいことから付けられました。伝統的な西洋占星術で蠍座を受け持つのが火星、二十世紀以降は冥王星めいおうせいも加えられたとされるのは、この星の性格ともゆるやかに響き合っています。

暮らしの中で試すなら

書類や写真を集めるときは、最初から捨てるものを決めず、「見ると気になる」「後で確かめたい」に分けてみます。気になる理由を一言付けておくと、日を改めて開いたときに話の続きを思い出せます。入口の日には、次に見直す場所が決まれば十分です。

よくある質問

Q. 蠍座なのになぜ鷲なのですか

古い四つ組の図像で、この位置に鷲が置かれてきたためです。猛毒を持つ生き物を避けた結果だという説明が知られています。

Q. 蠍座の期間は怖いことが起きますか

そういう性質の期間ではないのです。日が短くなって内側に目が向きやすい時期、という程度に受け取っておくほうが実際に近いところです。

Q. 開始日に手放しをしたほうがいいですか

急がなくて大丈夫です。入口では、何が引っかかっているかを書き出すところまでで十分足ります。

出典

  • 西洋占星術における蠍座の複数の象徴に関する一般的な解説
  • 四つの生き物の図像と黄道十二宮こうどうじゅうにきゅうの対応についての美術史の整理
  • 国立天文台 暦計算室こよみけいさんしつ「二十四節気にじゅうしせっきおよび雑節ざっせつ」における霜降の定義ていぎ