
一月の下旬に「今年最初の扉が開く」という言葉を見かけて、戸惑ったことはありませんか。
エンジェルズゲートは、太陽が水瓶座に入る日から、水瓶座を出るころまでのおよそ一か月を、ひとつづきの期間として扱う呼び名です。その入口が、太陽の水瓶座入りの日にあたります。日付は地球から見た太陽の位置で決まるため、年によって一日前後することはあっても、大きくずれることはありません。
日本の暦では大寒のころ。一年でいちばん冷える時期に、最初の扉が置かれていることになります。
名前には天使がついているのに、対応する星座は水瓶座です。この食い違いには、思いのほか古い理由があります。
エンジェルズゲート開始がわかる3つのこと
- 入口は一月二十日ごろ。 太陽が水瓶座に入った日から数えはじめます。
- 期間はおよそ一か月。 二月の中ごろ、太陽が水瓶座を出るあたりまで続きます。
- 天使の名は水瓶座の図像から来ています。 水瓶をかつぐ人が、翼のある姿で描かれてきました。
寒さの底では、外より頭のなかを動かす
水瓶座に結びつけられてきたのは、未来、仲間、決まりきった枠から少し離れた考え方です。とはいえ、この時期は外へ動き回るのに向いた気候とは言えません。入口の日にふさわしいのは、行動を増やすことではなく、前提を一つ疑ってみることです。
冬の底にいながら先の話ができるのは、暦が季節を少し先取りして進んでいるからです。窓の外はまだ真冬でも、日の入りの時刻はすでに遅くなりはじめています。
水瓶座の入口に向く4つ
- 当たり前だと思っていた働き方の決まりを、ひとつだけ疑ってみる
- 今年学びたいことを、正式に決めずに三つ書き出す
- しばらく開いていない連絡先を眺めて、会いたい人を思い出す
- 通知や購読を見直して、入ってくる情報の量を減らす
動けない時期だと、先に知っておく
体のほうも、この時期は動かしにくくてあたりまえです。日照時間が短く、朝の気温が低い日が続くと、意欲そのものが下がります。それを不調と呼ぶより、季節にそういう凹みがあると知っておくほうが役に立ちます。
目標を立てるなら、量ではなく方向だけ決めておく。実行は、日が長くなってからで間に合います。開始日を境に何かが切り替わると受け取ると、かえって窮屈になります。
翼のある人が、水瓶をかついでいた
ここから、名前の由来をたどります。
旧約聖書のエゼキエル書には、四つの顔を持つ生き物の幻が記されています。人の顔、獅子の顔、牛の顔、鷲の顔。新約聖書のヨハネの黙示録にも、獅子・雄牛・人の顔を持つもの・飛ぶ鷲という四つが現れます。この四つ組はテトラモルフと呼ばれ、キリスト教美術では四福音書記者の象徴として定着しました。マタイが人、マルコが獅子、ルカが牛、ヨハネが鷲です。
このうちマタイの「人」は翼を持つ姿で描かれることが多く、見た目のうえでは天使とほとんど区別がつきません。西洋占星術の側から並べ直すと、獅子は獅子座、牛は牡牛座、鷲は蠍座、そして人は水瓶座、つまり水瓶を肩にかつぐ人の姿に対応します。バビロニアの星の知識が預言者の幻を経て教会の図像へ流れ込んだ結果だ、という説明が広く知られています。
水瓶座の図像そのものにも神話が付いています。ギリシア神話では、鷲にさらわれて神々の酒の給仕役になった美少年ガニュメデスの姿だと語られてきました。天から地上へ水を注ぐ人。翼のある存在に運ばれた若者。天使との連想が生まれる下地は、こちらにもあったことになります。
扉という呼び名は、比較的新しい
一年を四つのゲートで区切る言い方は、現代のスピリチュアルな文脈で整えられました。季節の節目に、星座ごとの題材を重ねて読む呼び方です。
一方で、太陽が水瓶座に入る瞬間は天文計算で決まる事実で、そこは揺れようがない。新しく作られた枠組みと、動かない天体の動きが、ひとつの日付に同居している。 そう見ておくと、この日の扱いを大きく間違えずにすみます。
暮らしの中で試すなら
学びたいことを三つ書いたら、それぞれの横に「気になったきっかけ」を添えます。人に勧められたからなのか、自分の用事に必要なのかで、次に探すものは変わります。一か月後に読み直すときも、項目の数より、そのきっかけがまだ残っているかを見てみます。
よくある質問
Q. エンジェルズゲート開始は毎年同じ日ですか
太陽の位置で決まるため、一月二十日前後で年ごとに一日ほど動きます。日付を固定した行事ではありません。
Q. 案内によって開始日が違うのはなぜですか
太陽の水瓶座入りを起点にする説明が多い一方、別の日を挙げる案内もあります。どれかが誤りというより、何を起点に置くかの違いです。
Q. 開始日に特別なことをしないといけませんか
必要ありません。窓を開けて空気を入れ替える、去年の手帳を見返して片づける。月の満ち欠けと違ってこの扉は年に一度なので、急がずに入るほうが長く続きます。
出典
- エゼキエル書1章、ヨハネの黙示録4章7節に記された四つの生き物
- キリスト教美術における四福音書記者の象徴(テトラモルフ)の一般的な解説
- 国立天文台 暦計算室「暦要項」による太陽黄経の計算