
まだ寒いのに春、と言われる日です。
立春は毎年二月四日ごろ、二十四節気のいちばん最初に置かれた日です。名前のとおり「春が立つ」、つまり春の気配がここから立ち上がるという意味で、実際の気温のピークとは半月ほどずれています。一年でいちばん寒いとされる大寒の直後に来るのは、気温ではなく太陽の位置で季節を区切る暦だからです。
立春がわかる3つのこと
- 二十四節気の第一節。 立春から始まって大寒で一巡します。
- 暦のうえでは年の変わり目。 四柱推命などでは、年の干支がここで切り替わる流派が主流です。
- 前日が節分です。 豆をまいて古い一年を締め、翌日の立春から新しい流れに入る、という並びになります。
立春大吉のお札は、裏から読んでも同じ
禅寺では「立春大吉」と書いたお札を門や玄関に貼る習わしがあります。
この四文字は縦書きにすると左右がほぼ対称で、裏から見ても同じに読めます。入ってきた鬼が振り返って「まだ入っていない」と勘違いして出ていく、という言い伝えが添えられていて、厄除けの意味で使われてきました。
酒蔵や和菓子屋では、立春の朝に搾った酒や、その日に作った菓子を立春朝搾り、立春大福として出すところがあります。どれも、この日を起点と見なす感覚から生まれた習慣です。
春財布は、言葉遊びから生まれた
金運の話としてよく聞くのが、立春の日に用意した財布を春財布と呼ぶ習わしです。「張る財布」との語呂合わせで、中身が満ちるという縁起をかついだもの。
「春」と「張る」を重ね、財布が豊かにふくらむ願いを込める言葉遊びです。買い替えを考えていたなら、使いやすい形や好きな色を探す楽しみにしてみてください。
立春に済ませておきたい4つ
- 玄関まわりを拭いて、迎える側を整える
- 使い切った手帳や去年の書類をまとめて処分する
- 新しいノートやカレンダーを、この日から使い始める
- 冬のあいだ後回しにしていた小さな用事をひとつ片づける
一年の目標を立て直したい人にも向いている日です。元日に決めたことが一か月で薄れているのはよくあること。ここで一度だけ見直すと、無理のない形に整えられます。全部やり直すのではなく、残すものとやめるものを分けるだけで十分です。
旧正月と立春は、別のものさし
混同しやすいところなので整理しておきます。旧暦の元日と立春は、それぞれ別の暦の基準で決まります。年によっては旧正月のほうが先に来ることも、後に来ることもあります。「立春=旧正月」と説明されることがありますが、正確には別のものさしです。
節分のほうも、もとは季節の分かれ目すべてを指す言葉でした。立春・立夏・立秋・立冬の前日がそれぞれ節分で、いまは立春の前日だけが行事として残っています。
体感としては、この日はまだ真冬です。「春だから」と薄着にしたり、勢いよく予定を詰め込んだりすると、かえって消耗します。暦のうえでの春は、動き出す準備を始めてよい合図くらいに受け取っておくと無理がありません。
元日の目標を、今週の予定に直す
一月に「本をたくさん読む」と書いたなら、立春には「寝る前の十分、読みかけの本を開く」と小さく直してみます。すでに続いていることは残し、今の生活に入らなかったことは量や時間を変える。新しい目標を増やすより、一か月暮らしてみた自分に合わせる作業です。直した一行に、今週いつ試すかを添えておくと、春の入口を使いやすくなります。
味覚のほうが先に春を教える
この日にすることを大げさに決めなくて大丈夫です。窓を開けて空気を入れ替える、日の入りが少し遅くなったことを確かめる。それだけでも季節の変わり目には立ち会えます。
食べ物で季節を先取りするのも、この時期らしい過ごし方です。ふきのとうや菜の花のような苦みのある山菜は、立春の前後から店先に並び始めます。冬のあいだに重くなった体を軽くする、と昔から言われてきた食材。暦の言葉より先に、味覚のほうが春を教えてくれることもあります。
よくある質問
Q. 立春大吉のお札はどこに貼りますか
玄関や門など、家の入口にあたる場所へ貼る形が知られています。目線より高い位置に貼る、という言い方も伝わります。
Q. 春財布は立春に買うのですか、使い始めるのですか
どちらの言い方もあります。立春から二月いっぱいに用意した財布を春財布と呼ぶ土地が多く、厳密な決まりはありません。
Q. 立春を過ぎたら旧正月は終わりですか
別の暦なので関係しません。旧正月は月の満ち欠けで決まり、立春は太陽の位置で決まり、並び順は年によって入れ替わります。
出典
- 国立天文台 暦計算室「二十四節気および雑節」
- 各種暦書における立春正月・節分の一般的な解説