
この五か月半で少しだけ距離を取れたもの、もう戻り始めていませんか。
冥王星が順行へ切り替わります。五か月半ほど続いた逆行の出口にあたります。占星術で冥王星に割り振られてきたのは、根本からの変容、力の扱い、依存や執着、そして手放したあとに残るものです。逆行のあいだは、その領域を外へ向けるより、自分が何を握っているのかを内側で見る時間として読まれてきました。
この日にふさわしいのは、大きく動くことではありません。逆行のあいだに少し緩められたものがあるなら、それを元の握り方に戻さないと決めておく。 それだけで、この期間の意味はほとんど回収できます。
冥王星逆行終了がわかる3つのこと
- 緩んだ握りは、放っておくと戻ります。 相手が変わっていない場合はなおさらです。意志ではなく決めごとで支えます。
- 一度で全部を片づけようとしないほうが、結果として早く進みます。 逆行は毎年めぐってくるので、今回できなかったことは次に持ち越せます。
- 変化は地味なところに出ます。 断る一言が言えた、返事を急がずに済んだ。劇的な転換を探すと、実際に起きた小さな変化を見落とします。
冥王星逆行明けに、握りを戻さない4つの点検
順行に戻る日の作業は、これが中心になります。
- 逆行のあいだに距離を取れた相手や習慣を、一つ書き出す。 一つに絞ると、守るための手当ても具体的になります。
- その距離が縮み始めているなら、何がきっかけになりそうかを書く。 曜日や場面まで書けると先回りできます。
- 戻らないために必要な決めごとを、一つだけ用意する。 連絡の頻度、返事の速さ、引き受ける量。数字にできるものが向いています。
- うまく緩められなかったものは、そのまま置いておく。 五か月半で動かなかったのなら、まだその時期ではなかっただけかもしれません。
手放しの作業を一回の勝負にしてしまうと、決められなかったこと自体が新しい重荷になります。
返事を待ってもらう一文を用意する
頼まれるとすぐ引き受けてしまうなら、「予定を確かめて、明日の夕方に返事をします」という一文を用意しておきます。返事までの間に、使える時間とすでに決まった用事を見直す。引き受ける場合も、できる範囲を一緒に伝えます。その場で答えない時間を一度つくることが、保ちたい距離を毎日のやり取りに置く方法になります。
力のかたちを、紙の上に書いてみる
この期間に気づいたことのなかで、いちばん扱いにくいのが力関係の話です。
誰かを変えようとしていたのか、自分を押し殺していたのか、離れられないのが怖さからだったのか。どれも認めるのに時間がかかります。ただ、順行に戻る日に一度だけ書いてみる値打ちはあります。人と人のあいだにある力の傾きは、頭のなかで考えているあいだは形が定まらず、書くとはっきり見えることがよくあります。
書いたものを相手に見せなくて構いません。伝えるかどうかは別の話で、まず自分が把握することが先です。なお、相手からの言動で身の安全や暮らしが脅かされている場合は、星の解釈で扱える範囲を超えています。公的な相談窓口のほうが確実に力になります。
空いた場所を、急いで埋めない
何かを手放したあとには、たいてい空白が残ります。時間の空白でも、人の空白でも同じです。
その空白は、居心地が悪いものです。だからすぐに別のもので埋めたくなります。ただ、埋めるものを急いで選ぶと、前と似た形のものが入ってくることがよくあります。関係の型は、相手が変わっても繰り返されやすいからです。
しばらく空けたままにしておく、というのも選択肢として数えてください。予定を詰めれば落ち着くように感じますが、落ち着いたのは気分だけで、空白そのものは先送りされているだけということもあります。何を入れるかは、空白に慣れてから決めたほうが選択の幅が広がります。占星術の読み方としても、冥王星の再生は「次が来る」ことより「古い型が終わる」ことのほうに重心があるとされています。
静かな変化のほうが、あとに残る
冥王星の逆行明けについて、大きな転換を期待する読み方を見かけることがあります。ここは丁寧に切り分けたいところです。
一日で暮らしの形が変わるようなことは、この日に限らず滅多に起きません。それに、劇的な変化を期待していると、実際に起きた小さな変化を見落とします。断る一言が言えた、返事を急がずに済んだ、相手の機嫌に合わせるのをやめた。こういう地味なところに、力の扱いの変化は出ます。
占星術の文献でも、冥王星をどの程度激しく読むかは立場によって違います。深層心理の動きとして扱う読み方もあり、社会の仕組みの話として読む立場もあります。自分の暮らしに引き寄せるなら、控えめな読み方から入ったほうが実用になります。
動いた点として見つかった星
冥王星の見つかり方は、ほかの惑星とかなり違います。
一九三〇年、アリゾナのローウェル天文台で、当時二十四歳のクライド・トンボーが数日おきに撮った星空の写真を見比べていました。二枚の写真を交互に切り替えて見る装置を使い、位置がわずかにずれている点を探す作業です。何万という星のなかから、動いた一点を見つけ出す。それが発見でした。
明るさは十四等ほどで、写真のうえでは恒星とまるで区別がつきません。色でも大きさでもなく、動いていることだけが手がかりだった。この星が最初から「動き」によって存在を認められたという事実は、逆行の終わりを考えるときにも使えます。この日に起きているのも、その動きの向きが入れ替わるという、それだけの変化です。
発見から、まだ一周もしていない
冥王星が太陽を一周するのに、二百四十八年かかります。
見つかってから百年ほどしか経っていないので、発見された地点まで戻ってくるのは二十二世紀の後半です。天文学が観測してきた期間は、この星の一年の半分にも届いていません。占星術の側で語られる冥王星の意味も、そう長い観測の蓄積のうえに立っているわけではありません。
この時間の桁を知っておくと、五か月半の見直しに求めるものが変わります。五か月で人生の力関係が組み替わることはまずありません。今回はここまで緩められた、という一段を確かめて次に渡す。冥王星の期間には、その程度の刻み方がちょうど合っています。
順行に戻った週に
決めることは一つです。緩めた握りを戻さないための決めごとを、一つだけ実際の行動にしておく。
連絡の返事を翌日にする、頼まれごとを一度断ってみる、話題に出さないと決める。どれでも構いません。五か月半前に書いた紙があれば開いてみてください。いちばん重いと書いた名前が、いまも同じ重さで読めるかどうか。軽くなっていれば、それがこの期間の結果です。
五か月半の入り口は冥王星逆行開始をご覧ください。
よくある質問
Q. 冥王星逆行のあいだに取った距離を、どうすれば保てますか
意志ではなく決めごとで支えます。返事は翌日、連絡は週に一度というように、数字にできる形にすると、その場の気分に左右されにくくなります。
Q. 何かを手放したあとの空白が落ち着きません
空けたままにしておくのも選択肢です。急いで埋めると、前と似た形のものが入ってきやすくなります。何を入れるかは、空白に慣れてから決めるほうが選べる幅が広がります。
Q. 冥王星はいつ発見地点に戻ってきますか
二十二世紀の後半です。太陽を一周するのに二百四十八年かかるため、一九三〇年の発見からまだ半周にも届いていません。
出典
- 国立天文台 暦計算室(冥王星の黄経の推移および留の日時)
- 冥王星の発見に関する天文史資料(ローウェル天文台の写真観測)
- 冥王星の公転周期および軌道に関する天文資料
- 西洋占星術の文献に見る冥王星の解釈の幅