小さな水彩の試作を並べ、一枚を選ぶ創作の机
残った望みは、手元の断片を一つ選ぶところから形にできます。
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あんなに大事だと思っていたのに、と拍子抜ひょうしぬけした瞬間はありませんでしたか。

海王星かいおうせいが順行じゅんこうへ切り替わります。占星術せんせいじゅつで海王星に割り振られてきたのは、夢、直感、理想、癒し、そして境界のあいまいさです。逆行ぎゃっこうのあいだは、その領域を内側で見分ける時間として読まれてきました。信じたいことと、確かめられること。この二つが同じ欄に混ざっていた場所に、少しずつ線が入ったころだと思います。

この日にすることは、結論を出す作業とは違います。五か月のあいだに薄れたものと、薄れずに残ったものを分けて、残ったほうを暮らしのなかで扱える大きさに直す。 そこまでで十分です。

海王星逆行終了がわかる3つのこと

  1. 薄れた憧れは、失敗として数えなくて構いません。 試してみて合わないとわかったのなら、それは五か月ぶんの収穫です。
  2. 輪郭りんかくがついた望みは、実現に近い場所にあります。 値段がわかる、期間がわかる、誰に頼めばいいかがわかる。そこまで見えれば扱えます。
  3. 全部に線を引かなくて構いません。 誰にも負担をかけていないあいまいさは、保留ほりゅうのままにしておけます。

海王星逆行明けに、憧れと望みを分ける4つの書き出し

逆行に入ったころに気になっていたことを、思い出してみてください。

  1. この五か月で興味が薄れたものを、まず書き出す。 消えたものから書くほうが手が動きます。
  2. それでも消えなかったものを、別のところに書く。 数が少なくても心配は要りません。
  3. 消えなかったもののうち、来月の予定に入る大きさのものを一つ選ぶ。 理想は複数あっても、来月動かせるのはたいてい一つです。
  4. 選ばなかったものは、消さずにそのまま残しておく。 順番待ちにするだけで、なくしてしまうのとは違います。

憧れが消えたのではなく、憧れの置き場所が変わったのだと考えると、次に探すものも決めやすくなります。海王星の領域では、憧れの対象が入れ替わることは珍しくありません。憧れていた形ではなく、そこで自分が求めていた中身のほうが本題だからです。

現実を見ることは、冷めることではない

順行に戻る時期に出やすいのが、目が覚めたような感覚です。

ここで気をつけたいのは、その感覚を「自分は冷たくなった」と読んでしまうことです。見えるようになったのは、輪郭のほうです。輪郭がついたものは扱えるようになります。ぼんやりした憧れより、値段と期間のわかった望みのほうが、実現に近い場所にあります。

創作をしている人なら、この時期は書き出しに向いています。五か月のあいだに浮かんだ断片を、ひとつの形にまとめてみる。まとまりが悪くても構いません。海王星の領域で厄介やっかいなのは、良いものが浮かばないことではなく、浮かんだものが形にならないまま消えていくことです。

人に見せる必要もありません。誰かの評価を通すと、まとめる作業が急に重くなります。まずは自分の手元で、断片を並べて順番をつけるところまで。そこまで進めば、続きは別の日にでも書けます。

残った望みを、予定に入る形にする

創作を続けたい気持ちが残っているなら、集めた断片の中から一つだけ選びます。写真なら数枚を並べて順番を決める、文章なら最初の段落を書く。完成までの時間が読めなくても、次に座る日時と、その時間に進める箇所は決められます。二週間後には出来栄えだけでなく、もう一度触れたいと思ったかも書き添えてみましょう。

あいまいなままにしておいてよいもの

答えを出さないまま置いておいたほうがよいことは、実際にあります。誰かへの気持ちの整理、進むかどうか決めきれない道、うまく言葉にならない違和感。これらを無理に確定させると、あとで「なぜあのとき決めてしまったのか」と思う場合があります。

線を引くのは、あいまいさが誰かに負担をかけているときです。相手が待っている、お金が動いている、期限がある。そういう場合ははっきりさせる。そうでないなら、保留のままで構いません。この時期をどこまで結論の時期と見るかは、占星術の側でも立場によって違います。

戻ったといっても、同じあたりにいる

順行に切り替わったからといって、海王星がどこかへ動き出すわけではありません。

逆行のあいだにこの星が黄道上こうどうじょうを後ろへ戻った幅は、三度足らずです。一年で進む距離が二度あまりしかない天体ですから、五か月分の後戻あともどりもそれくらいで収まります。順行に戻っても、位置は逆行に入ったころとほとんど変わりません。望遠鏡で追っている人でなければ、変化は数字の上でしか確かめられないでしょう。

にもかかわらず、この日が節目ふしめとして扱われてきました。ここは正直に書いておきたいところです。動きの大きさと意味の大きさは、そもそも別のものです。区切りが立つのは、暦の計算が向きの変わる日時を特定できるからにすぎません。

区切りを決めているのは、暦のほう

つまり、この節目は人の側が置いたものです。

天の側で起きているのは、ほとんど止まって見える点が進む向きを入れ替えることだけ。それを日付にして、意味を重ねて、暮らしの区切りに使ってきたのは人間の作業です。占星術の読み方を大げさにしないためにも、この順序は覚えておくとよいと思います。

そのうえで、区切りを置くこと自体は理にかなっています。あいまいなものを扱うときには、いつまで考えるかを外から決めてもらうほうが進みます。締切のない問いは、いつまでも問いのまま置かれるからです。境界を受け持つ星の期間に、暦のほうから期限が来る。この巡めぐり合わせは、素直に使ってよいものだと思います。

人が見届けた海王星の一年は、まだ一度だけ

海王星が太陽を一周するのに、百六十五年ほどかかります。

一八四六年に見つかった星ですから、発見からちょうど一周したのは二〇一一年でした。つまり人類は、この星の「一年」をまだ一度しか見終えていません。個人の一生では、当然ながら一周を見届けられません。

この長さを知っておくと、期間の受け取り方が少し変わります。五か月の見直しで人生の答えが出るわけがない、という当たり前のことが受け入れやすくなるからです。海王星が扱うとされる領域は、そもそも数か月で片づく大きさではありません。今回はここまで見えた、という記録を残して次に渡す。そのくらいの構えがちょうどいいでしょう。

明けてからの二週間

やることは二つです。残った望みを一つ選んで日付を入れること。そして、あいまいにしておくと決めたものに、そう決めた印をつけておくこと。

二週間ほど経ってから読み返すと、勢いで書いた部分と、そうでない部分の差が見えます。五か月前に書いた紙が残っているなら、見比べてみてください。同じ言葉が残っているところが、この期間に確かめられたものです。

逆行に入った日の話は海王星逆行開始に書いてあります。

よくある質問

Q. 海王星逆行が明けたら、迷っていたことを決めるべきですか

決めなくても構いません。相手を待たせている、お金が動く、期限があるときだけ線を引きます。それ以外は保留のままで問題ありません。

Q. 五か月で興味が薄れたものは、あきらめたことになりますか

なりません。試して合わないとわかった時点で、探す範囲が狭まっています。憧れの中身のほうが残っていれば、別の形で戻ってきます。

Q. 海王星が順行に戻っても位置が変わらないのはなぜですか

一年で黄道上を二度あまりしか進まない星だからです。五か月の逆行で下がる幅も三度足らずで、切り替わりは数字の上でしか確かめられません。

出典

  • 国立天文台 暦計算室こよみけいさんしつ(海王星の黄経こうけいの推移すいいおよび留の日時)
  • 海王星の公転周期こうてんしゅうきと発見からの経過に関する天文資料
  • 西洋占星術せいようせんせいじゅつの諸文献ぶんけんに見る海王星の解釈かいしゃくの違い