
2026年の蠍座の新月は、11月9日 16時02分
2026年11月9日 16時02分(日本時間)です。国立天文台・2026年暦要項「朔弦望」で日時を確認しました。星座名は西洋占星術で使う区分です。天文学でいう星座の位置とは区別して読んでください。
2026年11月のカレンダーでは、前後の暦も一緒に確認できます。日時に合わせて起きている必要はありません。自分が落ち着ける時間を選びましょう。
まず試す、小さなワーク
私は、守りたい時間と、今は引き受けなくてよい用事を一つずつ書きます。
手放したほうがいいと分かっているのに、離せないものはありませんか。
蠍座の新月は十一月ごろ、立冬を過ぎて日暮れが一気に早くなる時期に巡ってきます。夏に伸びきった緑は色を落として地面に落ち、そのまま土に混ざっていく季節。派手さのない過程ですが、これがないと翌年の土はできません。
蠍座の新月がわかる3つのこと
- 時期は十月下旬から十一月中旬ごろ。 太陽が蠍座へ移るのが十月二十三日前後。そのひと月の滞在中に、月と重なる日が一度きます。
- 扱うのは「二人のもの」。 一緒に持っている財産、受け継ぐもの、親密さ、人に預けた信用。片方だけでは決められない領域です。
- 守護星(その星座と組になる惑星のこと)は火星、または冥王星。 伝統的な占星術では火星、二十世紀以降は冥王星とされることが多く、本によって説明が分かれます。
冥王星が見つかったのは1930年で、それ以前の書物に冥王星は出てきません。同じ星座の説明が本ごとに違うのは、こうした事情も混ざっています。
まず、二人のあいだで止まっているもの
自分だけで完結する目標なら、ほかの星座の新月のほうが軽く進みます。ここで扱いやすいのは、誰かとのあいだに置いたまま動かせなくなっているもののほうです。
たとえば、貸したまま話題にしていないお金。まだ決めていない家の名義。言えないまま関係が続いている頼みごと。共有した領域にある未処理のものは、放っておくと少しずつ関係全体の重さになります。この新月は、そこにひとつだけ手をつける日として使えます。全部を片づけなくて大丈夫です。
握っているものに名前をつける
執着という言葉は、責めるために使われがちです。
けれど、握っていること自体は情報です。手を離せないのは、そこに自分が大事だと思っているものが混ざっているから。だからこの新月に向く最初の作業は、やめることでも許すことでもなく、何を握っているかを言葉にすることになります。
誰にも見せない紙に書く4行
- 手放せていないものをひとつ、事柄として書く。相手の名前ではなく
- その裏側で守りたかったものを、一行だけ足す
- 繰り返している同じ流れをひとつ思い出して、始まりの場面を書く
- 深く話せる相手を一人だけ決めておく。話すのは今日でなくてよい
書いたものは人に見せなくて大丈夫です。むしろ蠍座の新月については、見せない前提で書くほうが本音まで届きます。読まれる可能性があると、無意識に体裁の整った言い方を選んでしまうものです。
手放しは、忘れることではありません
手放しという言葉は、しばしば「なかったことにする」と混同されます。
実際にできるのは、それを持ち続ける手の力を弱めることくらいでしょう。記憶は消えず、感情も勝手には終わりません。ただ、握力を緩めれば、ほかのものを持てるようになります。順番としては、握っていると認めるほうが先で、離すのはあと。認めないまま離そうとすると、たいてい形を変えて戻ってきます。
期限を決めておくのもひとつの方法です。次の満月まではこのことを考えていい、と自分に許可を出す。無理に切り上げないほうが、結果として早く落ち着くことがあります。
残すものと、話し合うことを分ける
共有している物が気がかりなら、まず「誰の物か決めたい」「置く場所を相談したい」など、止まっている事柄を一つ書いてみます。思い出の品なら、残したい理由も横に添える。自分の気持ちを書く紙と、相手に相談する項目は分けておくと、すべてを一度に伝えずに済みます。その日は捨てるかどうかまで決めず、話し合いたいことが一つ見えたところで閉じてもよいでしょう。
深く関わることと、確かめすぎること
蠍座の質は、深さです。深さは、そのまま執着の形にもなります。
相手の返信が遅いときに理由を探す、過去の言葉を読み返す、大事にされている証拠を集める。どれも、大切だと思っている相手にしか起きません。ただ、確認の回数が増えていくときは、対象が相手から自分の不安へ移っています。そうなっていたら、相手に聞くより先に、自分が何を怖がっているかを一行書いたほうが早いはずです。
人の秘密を扱う場面が来るかもしれません。聞いた話をどこまで持っておくかは、この星座らしい判断です。預かったものを預かったままにできるかどうかで、信用は決まります。自分の話も、今伝えたいことから、少しずつ言葉にしていきます。誰に、どこまで、いつ話すか。その配分を自分で決められる状態のほうが、健やかに働きます。
火星に対抗する名を持つ星
蠍座の中心で赤く光るのが、アンタレスという一等星です。
この名は「火星に対抗するもの」を意味する語から来ていると説明されます。実際にアンタレスは赤く、天球上で近くを通る火星と見分けにくくなる時期もあります。伝統的に火星を守護星としてきた星座の心臓部に、火星に張り合う名の星が置かれている。覚えておくと、この星座の性質が頭に入りやすくなります。
蠍という生き物についても少し。神話では、思い上がった狩人オリオンを刺した者として空に上げられた、という筋がよく紹介されます。相手を倒した力ではなく、隠れていて気づかれないところが蠍の特徴として語られてきました。
12星座では八番目。天秤座で相手が現れたあと、その相手と深く混ざる段階にあたります。挨拶や交渉ではなく、隠していたことを話す、財産を一緒にする、踏み込まれることを許す。そういう領域が割り振られてきました。
誰にも見せないページを一枚
過ごし方は、静かなほうが向いています。
日が落ちるのが早い季節なので、夕方からあかりをひとつに絞って、紙を一枚だけ広げてみてください。書いたら閉じる、それで終わりです。カルマという言葉で語られる繰り返しのパターンも、書き出してみると思っていたより単純な形をしていることがあります。
外へ出るなら、落ち葉の多い道を歩くくらいがちょうどいいでしょう。踏むと崩れる葉の音は、この星座の担当分野をそのまま音にしたようなものです。終わったものが土に戻る過程に立ち会っておくと、手放しという言葉が少し具体的になります。
よくある質問
Q. 手放したいのに気持ちが動きません
動かなくて大丈夫です。この新月でできるのは、何を握っているかを書き出すところまで。離す作業は次の満月以降に持ち越して構いません。
Q. 守護星は火星と冥王星のどちらで読めばいいですか
どちらでも読めます。火星で読むと行動の話に、冥王星で読むと大きな作り替えの話になります。自分に合うほうを選んで差し支えありません。
Q. アンタレスはいつ見えますか
夏の南の低い空で赤く光っています。十一月の新月のころは太陽に近く、姿を探すには向きません。
Q. 蠍座生まれでなくても当てはまりますか
当てはまります。握っているものを見る夜という性格は、どの星座の生まれにも同じように訪れます。
出典
- 国立天文台・2026年暦要項「朔弦望」(日時を2026年10月2日に確認)
- 国立天文台 暦計算室の朔の計算による日時
- アンタレスの名称の由来については各種星座解説書の記述
- 蠍座の守護星の扱いは伝統的占星術と近代以降の占星術で異なる