金環日食の空を背景に、庭の入口を開ける二人
残したい関係と、変えたい決まりを分けて考える。
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その場の空気に、どうしても乗れないときがあります。

みんなが盛り上がっている話に入れない。決まりの理由が納得できないまま従っている。悪い人たちではないのに、その集まりにいると自分が薄くなる感じがする。こういう居心地いごこちの悪さを性格の問題として片づけてしまう人は少なくありませんが、水瓶座みずがめざが受け持つとされるのは、まさにこの感覚のほうです。

太陽が水瓶座を通るのは二月ごろ。節分と立春りっしゅんを挟んで、暦のうえでは春に入る時期です。実際の気温はまだ真冬でも、日の長さは確実に戻っています。見た目と中身がずれている季節に、この新月は置かれています。そして今回は、そこに金環日食きんかんにっしょくが重なります。

金環日食の新月がわかる3つのこと

  1. 金環日食は、太陽の縁が細い輪として残る日食です。 月が地球から遠い位置にあると、太陽を隠しきれずに光の環が残ります。
  2. 水瓶座が扱うのは仲間と共同体。 血縁けつえんでも近所づきあいでもない、価値観でつながる結びつき方を受け持ちます。
  3. 守護星しゅごせい(その星座を司るとされる惑星)は土星、または天王星てんのうせい。 土星は決まりや構造の星、天王星は突然の変更の星。守る枠と外す力が同じ星座に同居しています。

天王星が見つかったのは十八世紀の後半で、それ以前の書物しょもつには当然出てきません。この星座が矛盾むじゅんして見えるのは、二つの星がかかわっているせいもあるでしょう。

光の輪が残るのは、月が遠いから

日食は、新月のうち月が太陽の前を通過する回に起きます。ただ、太陽を隠しきれるかどうかは、そのときの月の距離次第です。

月が遠い位置にあると見かけの大きさが太陽より小さくなり、月の輪郭りんかくの外側に光が細い環として残ります。これが金環日食。近い位置にあれば太陽をすっかり覆おおい、皆既日食かいきにっしょくになります。同じ通過でも、距離の差で景色がまったく変わります。

金環きんかんのあいだも空はかなり明るいままで、皆既かいきのときのような暗さにはなりません。輪が残っているぶん、地上に届く光が完全には途切れないからです。金環の最中も太陽の光は強いままなので、観察には専用の日食グラスを使ってください。

日食が重なる新月については、通常と違うので願い事は控ひかえたほうがよいとする立場と、区切りとしてより大きく扱う立場があり、書き手によって説明が分かれます。どちらかを選ばなくても大丈夫です。この日は、輪が残るという見え方に沿って、変えるものと残すものを分ける日として使うのが素直でしょう。

離れることと、つながり直すこと

群れから離れるのは、孤立とは違います。

離れる目的は、一人になることではなく、合う場所につながり直すことにあります。ここを取り違えると、水瓶座のテーマは急に寂しい話になります。今の集まりが合わないと気づいたとき、必要なのは縁を切ることではなく、自分がどんな価値観の人たちと時間を使いたいのかを言葉にする作業です。

言葉にできていないうちは、次に入る場所も探せません。「気の合う人」では条件が広すぎます。何を大事にしている人か、何を面白がる人か、何を許さない人か。ここまで具体になると、探し方が変わってきます。

自立と孤立の見分け方も似ています。自立している状態では、頼れる先が複数あります。孤立している状態では、頼れる先がゼロです。どちらも一人で立っているように見えますが、中身は逆になります。

今年もう従わない決まりを、5つから1つ選ぶ

この日に向く作業は、外すものをひとつに絞ることです。

  1. 合わない前提をひとつ書き出して、やめる日を決める
  2. 参加してみたい場をひとつ選び、日程を確認する
  3. 声をかけたい相手に、用件ようけんのない連絡を入れる
  4. これからの働き方や暮らし方を、一文で書いてみる
  5. 情報の入り口を見直し、見なくてよいものを減らす

長く続けているだけの慣習かんしゅう、状況に合わなくなった前提、誰も得をしていない手順。全部を並べると疲れるので、ひとつだけ選ぶのがこの日のやり方です。

全部を壊す必要はありません

この新月では、更新の勢いが強く出すぎることがあります。

古い決まりが目についた結果、いま持っている関係や仕事まで一度に手放したくなる。これは金環日食の見え方とは、少しちぐはぐです。輪が残る日食は、中心が隠れても外側が消えない現象です。同じように、変えるのは決まりのほうで、自分の芯は持っていく。その分け方がこの日には合っています。

書くときは二列に分けてみてください。片方に、もう合わない決まり。もう片方に、どこへ行っても手放さないもの。後者こうしゃが書けていないと、更新はただの引っ越しになります。

この星座は理屈りくつで組み立てるのが得意なぶん、感情の扱いを後回しにしがちだとも言われます。正しい判断でも、寂しさは別に発生します。それも並べて書いておくほうが後で楽になります。

残したい関係と、変えたい頻度を分ける

毎週の集まりが負担なら、「この人たちと話す時間は残したい」「毎週参加する決まりは変えたい」と二列へ書けます。次に、月一回の参加や途中から加わる方法を相談する。続けたい中身がわかっていると、決まりを変える話も具体的になります。話し合った後は、いつから試して、いつ様子を聞くかまで決めておくと次へ進めやすくなります。

水を運ぶ人が描かれている理由

星座絵に描かれているのは、瓶を傾けて水を注いでいる人です。動物でも道具でもなく、水を配っている人がしるしになっています。

注ぐ相手は特定の誰かに限られていません。水瓶座が仲間や共同体を扱うとされるのは、この「誰にでも同じように配る」姿勢が読み込まれてきたからだと説明されます。身内かどうかで扱いを変えない。そこがこの星座の芯にあたります。

未来の側から今日を見る

過ごし方に、特別な作法さほうはいりません。

三年後の自分がどこで誰と何をしているかを、一段落いちだんらくだけ書いてみてください。願望として書くより、その日の予定表を書くつもりのほうが具体になります。何時に起きて、誰と話して、何を作っているのか。書けたところと書けなかったところの差が、そのまま今の材料になります。

冬の夜の空気は澄んでいます。月の出ていない空を眺めると、星が普段より多く見えるはずです。アセンションという言葉で語られる大きな転換を、この日一日で起こそうとしなくて大丈夫です。決まりをひとつ外して、芯をひとつ書き留める。それで、この日の使い方としては足りています。

よくある質問

Q. 金環日食は日本のどこから見えますか

回ごとに変わります。国立天文台が公表する各地予報で、自分の住む地域が帯に入っているかを確かめられます。

Q. 日食の日に契約や引っ越しをしても大丈夫ですか

避ける決まりは伝わっていません。気になるときは、新しく始める側より、前から決めていたことを進める側に寄せると落ち着きます。

Q. 水瓶座の時代という言葉をよく聞きます

春分点がどの星座の領域にあるかという長い周期の話で、この一日の日食とは別の話題です。日ごとの過ごし方に直接あてはめなくて構いません。

Q. 水瓶座生まれ以外には関係しませんか

そんなことはありません。新月と日食は全員の頭上で同じように起こります。

出典

  • 国立天文台による日食の予報および朔の計算値
  • 金環日食が起きる条件については国立天文台の解説による
  • 水瓶座の守護星の扱いは伝統的占星術せんせいじゅつと近代以降の占星術で異なる