
辛亥という二文字を、占いの本ではなく歴史の授業で見た覚えはありませんか。
1911年に中国で起きた革命が、その年の干支をとって辛亥革命と呼ばれています。同じ二文字が、暦のうえでは一か月の名前でもあります。辛亥(かのとい)月は、立冬に入る日から大雪の前日まで。冬に入る最初の一か月です。
上に乗る辛は、磨き上げられた細かい金属。下の亥は五行では水です。金は水を生む関係なので、上の干が下の支へ流れ込む形になります。
辛亥月がわかる3つのこと
- 冬に入る最初の一か月です。 立冬から始まり、大雪の前日で終わります。
- 外へ出す力が、内側へ向き直る時期とされます。 冷えた金属から水が生まれる絵で語られます。
- 干支は出来事の名前にもなってきました。 辛亥革命の辛亥は、起きた年の干支そのものです。
内へ向けて使う
表に出す作業がひと段落し、静かなほうへ移っていく一か月として説明されます。日が短くなり、外出そのものが減っていく時期でもあります。
動きを止めるのではなく、向きを変える。 そう考えると、この時期の使い方は決めやすくなります。
辛亥月に向く4つのこと
- 今年の記録を、成果ではなく起きたこととして書き出す
- 暖房と寝具を整えて、消耗しない冬の形を先に作る
- 人に会う予定を減らすかわりに、読むものを決めておく
- 来年に持ち越すものを、この時期に選び分けておく
年を指す記号が、名前になった
干支はもともと、年や日を数えるための記号です。番号のようなものですから、その年に起きた出来事を指すときに使えば、そのまま名前になります。
日本にも同じ例があります。672年の内乱は壬申の乱、1868年から続いた戦いは戊辰戦争。どちらも起きた年の干支をそのまま冠したものです。兵庫にある甲子園球場も、完成した年が甲子(きのえね)だったことに由来します。
これらの名前には、出来事が起きた年の干支が使われています。当時の年の呼び方を知ると、出来事の名前から年代をたどれます。
名前が残ると、意味を探したくなる
ところが名前として定着すると、順序が逆に見えてきます。辛亥だから革命が起きた、というふうに、あとから性質を読み込みたくなる。
干支をめぐる言い伝えの多くが、この道筋をたどってできています。ある年に大きな出来事があり、年の名前で呼ばれ、その名前が別の年にめぐってきたときに同じことを期待する。60年おきに同じ呼び名が戻ってくるので、結びつけようと思えばいくらでも結びつけられます。
記号と中身を分けて見る癖をつけておくと、暦との付き合いはずいぶん軽くなります。
冬の始まりの日そのものは立冬で読めます。
暮らしの中で試すなら
今年撮った写真を一枚選び、その日にあったことと、今見て思うことを分けて書いてみます。当時は慌ただしかった一日にも、後から気づく楽しさがあるかもしれません。浮かんだ疑問に近い本を一冊選べば、振り返りが次の読書にもつながります。
よくある質問
Q. 辛亥月はどの年に来ますか
丁の年と壬の年の亥月が辛亥です。次にこの名前が来るのは5年後になります。
Q. 同じ干支の年には似た出来事が起きますか
同じ干支の年に何が起きたかを並べても、60年に一度しか回ってこないため数が足りません。傾向と呼べる材料にはならない、というのが実際のところです。
Q. 甲子園の甲子は何の年ですか
六十干支の最初の組み合わせで、球場が完成した1924年がその年にあたりました。十干の甲と十二支の子が並ぶ、区切りのよい年です。
出典
- 干支紀年による歴史的事件の呼称に関する一般的な解説
- 国立天文台 暦計算室「二十四節気および雑節」