
土の支のはずの戌が、別の表では火の仲間に入っている。不思議に思ったことはありませんか。
庚戌(かのえいぬ)月は、寒露に入る日から立冬の前日までの一か月です。この戌という支は、五行では土に配されます。ところが火の組にも数えられる。矛盾のように見えて、これもしくみの一部です。
上に乗る庚は、鉱物や刃物にたとえられる硬い金。戌は納める側の支。刀を鞘に収める、というたとえがよく使われる組み合わせです。
庚戌月がわかる3つのこと
- 削るより、置き場所を決める一か月です。 削り終えたものをどこへ納めるかが主題になります。
- 戌は五行では土に配されます。 それでも三合という別の見方では、火の組の最後に置かれます。
- 年の残りが見えてくる時期と重なります。 畳む作業に向くという読み方は、季節の実感とも合います。
畳んでおくと、あとが楽になる
刀を鞘に収めるという形は、力を振るう場面ではなく、しまう場面を指しています。年の残りが見えてくる時期でもあるので、この読み方は暮らしの感覚ともつながります。
庚戌月に畳んでおきたい4つのこと
- 今年始めたことを一覧にして、続けるものだけ来年へ送る
- 使っていない契約や登録を、期限を確かめて止める
- 寒くなる前に、必要な買い替えを決めて済ませる
- 写真や書類のように溜まるものを、保管の形にして閉じる
畳むと決めた分だけ、残したものに手をかけられます。 全部を抱えたまま冬に入ると、年末に判断が集中します。
四つ離れた支が、手を結ぶ
十二支を円に並べたとき、四つずつ間を空けて選ぶと三つの組ができます。寅・午・戌、亥・卯・未、申・子・辰、巳・酉・丑。それぞれ火、木、水、金の組とされ、三合会局(さんごうかいきょく)と呼ばれます。
面白いのは、組になった三支が単独の五行と一致しないことです。戌は土、亥は水、申は金、巳は火。それでも組になると、別の一つの五行として働くと説明されます。個々の性質と、集まったときの性質を分けて扱う考え方です。
生まれ、盛り、納める
なぜその三つなのかには、順番の理屈があります。組の最初は生まれる位置、真ん中は盛りの位置、最後は納まる位置。火でいえば、寅で生じ、午で最も強くなり、戌で納まるという流れです。
始まりと頂点と終わりを一組にすると、ひとめぐりがまとまって見える。戌がこの並びの最後に置かれているので、火を納める場所として語られます。土の支でありながら火に関わるのは、そういう役どころだからです。
なお三合が成り立つ条件は流派で違い、三つ揃わない場合や、二つだけで半分の働きをすると読む立場もあります。
秋が深まる節気の話は寒露にあります。
暮らしの中で試すなら
今年の写真や書類が散らばっていたら、一つの行事や仕事の分だけ集めてみます。残すものを選び、時期と内容が分かる名前を付けて、置き場所を決めましょう。まだ判断できないものは別にまとめ、見直す日を一度決めておくと、整理を際限なく続けずに済みます。
よくある質問
Q. 庚戌月はどの年にめぐってきますか
丁の年と壬の年の戌月が庚戌です。5年に一度回ってきます。
Q. 三合が揃うと何か起きるのですか
三つ揃うと別の五行として働くと説明されますが、条件の見方は流派で分かれます。図式が整っているぶん当てはめたくなるところなので、慎重に扱われてきました。
Q. 戌はなぜ犬なのですか
覚えやすさのために動物が当てられたと説明されます。もともとの字の意味は動物とは別で、草木が枯れて姿を消す段階を表すという説があります。
出典
- 四柱推命における三合会局および十二運の対応に関する一般的な解説
- 国立天文台 暦計算室「二十四節気および雑節」