雪の残る森で岩の間から小さな池へ流れ出す清水
年末の片づけと、次の年の支度を分けて考えるひと月に。
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還暦かんれきのお祝いが60歳なのはなぜか、考えたことはありますか。

答えは干支えとの数にあります。庚子(かのえね)月は大雪たいせつに入る日から始まり、小寒しょうかんの前日で終わる一か月。十二支じゅうにしの最初に置かれた子が、暦の年の終わりに近い位置でめぐってくるという、少しねじれた場所に立っています。

上に乗る庚かのえは、鉱物や刀にたとえられる硬い金。子は五行ごぎょうでは水です。金は水を生む関係にあるので、助け合う組み合わせにあたります。

庚子月がわかる3つのこと

  1. 途中に冬至が来ます。 日照にっしょう時間が最も短くなり、翌日から少しずつ伸びていく日です。
  2. 月の干支は5年でひとめぐりします。 60通りを月に当てはめると、60か月で元へ戻る計算です。
  3. 硬いものの内側から、澄んだものが出てくる形です。 岩の割れ目から湧く清水がたとえに使われます。

締めと始まりを、分けて考える

年内に決着けっちゃくさせようとして詰め込むと、12月は消耗しょうもうします。この月を次の一年の助走と見るなら、片づけと仕込みは分けたほうが動きやすくなります。

冬至は暗さの底で向きが変わる日として語られてきました。一陽来復いちようらいふくという言葉も、そこから来ています。子の性質とよく重なる構図です。

庚子月に向く4つのこと

  1. 一年を通してやったことを、評価ではなく事実として書き出す
  2. 年末の予定を決める前に、休む日を確保する
  3. 使っている道具や習慣を棚卸たなおろしして、来年に持っていくものを選ぶ
  4. 冬至の日に、風呂や食事で体を温める用事をひとつ作る

冬至の過ごし方は冬至にくわしくあります。

六十で一巡する組み合わせ

十干じっかんは10種類、十二支は12種類。両方を順に組み合わせていくと、元に戻るまでに60通りかかります。10と12の最小公倍数さいしょうこうばいすうが60だからです。還暦が60歳を指すのも、生まれた年の干支が一周して戻ってくるところから来ています。

これを月に当てはめると、60か月でひと回りします。つまり月の干支は5年で一巡する計算です。同じ庚子月は5年ごとに戻ってくるので、前に同じ干支の月だったときに何をしていたかを、手帳で確かめられる距離感にあります。

子は、まだ形になっていない段階

子という字は、種から芽が出る前の状態を表すとする説があります。ねずみが当てられたのは覚えやすさのためで、意味の中心は始まりよりも一段前、まだ形になっていない段階に置かれています。

冷えた金属の表面に結ぶ水滴、岩の割れ目から湧き出す清水。庚子が源泉げんせんのような組み合わせとして語られるのは、こうした絵からです。

暮らしの中で試すなら

年末の予定を書き出すときは、年内に終える必要があることと、来年試してみたいことを分けてみましょう。来年の分は、必要な道具を一つ確かめる程度でも支度したくになります。全部を今月から始めようとせず、何も入れない休みの日も先に残しておくと、暮らしの区切りをつけやすくなります。

よくある質問

Q. 庚子月はどの年に来ますか

丙ひのえの年と辛かのとの年の子月ねづきが庚子です。同じ名前の月は5年おきに戻ってきます。

Q. 子の月なのに年の終わりに近いのはなぜですか

年の区切りが立春りっしゅんに置かれているためです。支の並びでは先頭でも、暦の年のなかでは終わりのほうに来ます。

Q. 日の干支も60で一巡しますか

します。ただし日の干支は年や月のように計算で導かれるものではなく、過去のある日から数え続けてきた値です。

出典

  • 国立天文台 暦計算室こよみけいさんしつ「二十四節気にじゅうしせっきおよび雑節ざっせつ」
  • 六十干支ろくじっかんしの周期および五行の相生そうじょうに関する暦学れきがく・四柱推命しちゅうすいめいの一般的な解説