
良い日を探しはじめて、いつまでも決められなくなったことはないでしょうか。
一粒万倍日は年に四十回ほど、大安は年に六十回ほど。この二つだけなら、揃う日は毎月のように見つかります。そこへ六十日に一度の甲子の日を足すと候補は年に一度か二度まで落ち、さらに控えるべきとされる注記が加わって、数年に一度の並びになりました。
条件を足せば候補が減る。 当たり前のようでいて、日取りを探す作業の落とし穴はここにあります。
四つが並ぶ日でわかる3つのこと
- 数年に一度しか立ちません。 周期の長さがそれぞれ違うので、四つが同じ日に集まる機会はごくわずかです。
- それぞれの暦注の意味を知ると、この日に始めたいことを選びやすくなります。
- 待つ判断にも時間がかかります。 甲子の日が六十日ごとなので、同じ並びを待てば最短でも二か月は動かないことになります。
探す作業に終わりが来ないわけ
暦注の項目はたいへんな数にのぼります。江戸期の民間の暦には、日々の吉凶を記した注記が数十種も並んでいました。すべてを条件に入れて、一つも欠けのない日を探そうとすると、そんな日はまず見つかりません。
しかも探す側には、どこで打ち切るかの決まりがないのです。二つ揃えば十分だと考える人もいれば、三つ欲しくなる人もいます。条件を一つ足すたびに候補は減り、減った分だけ残った日が特別に見える。特別に見えるから、また一つ足したくなります。
打ち切るなら、条件の数ではなく期限のほうから線を引くしかありません。 いつまでに始めたいかを先に決めて、その範囲でいちばんましな日を選ぶ。探す作業に終わりが来るのは、期限を置いたときだけです。
四つのうち三つを立てる4つの目安
- 二か月後に振り返る約束をして、その日付だけ手帳に印をつけます。
- 相手のいる予定は動かさなくて構いません。 日取りの理由を説明する手間が省ける日です。
- 続けたいことは、明日も同じ量ができる大きさに切っておきます。
- 署名や入金をともなう手続きだけ、日を改めます。
最後の一つを譲れば、残りの三つはそのまま立ちます。始まりの日という言葉に引きずられて全部を今日に詰め込むと、二か月後に手元へ残るものはかえって少なくなります。
待つ側にも、かかるものがある
この日を見送って次を待つと、同じ並びが再び立つのは早くても二か月後、実際にはもっと先になります。避けるという判断は、当分は動かないという判断とほとんど同じことです。
日取りの話では、選ぶ側の得ばかりが語られます。けれども、待つあいだにも家賃は出ていきますし、気持ちも冷めます。始めたいことが二か月後でも構わないなら待てばよく、二か月後では遅いのなら、不成就日の注記は判断の材料として弱すぎます。
暮らしの中で試すなら
小さな集まりを始めたいなら、まず参加してほしい人へ案内を出す日を決めます。その日までに会場と候補日を二つ確認し、返事を待てる期間も用意しましょう。暦の条件を比べるのは、その候補の範囲に絞ります。選ぶ日だけでなく準備に必要な日数が見えると、いつまでも日取りを探し続けずに済みます。
よくある質問
Q. 四つ揃う日は何年に一度ですか
年によってはまるごと空きます。六十干支、六曜、選日、八日周期という長さの違う四つが同じ日を指す必要があるためで、数年に一度が目安です。
Q. 避けて次の機会を待つべきでしょうか
急ぎでなければ待って差し支えありません。ただし次の並びまでの距離を先に調べておくことをすすめます。待つ長さを知らないまま見送ると、たいてい思ったより先まで動かないことになります。
Q. 良い日を探すのは、どこでやめればよいですか
条件の数では止まらないので、期限で止めます。この用事はいつまでに始めたいのかを先に書いておくと、そこから逆算して日が決まります。
出典
- 江戸期の民間暦に並んだ暦注の項目数についての一般的な説明
- 六十干支と六曜の周期の違いを示した暦書の記述