小道の下絵をそばに置き、庭に踏み石を並べる手元
望む場面を思い描いたら、今日できる動作を一つ。本の言葉と、毎日の行動をつないでみます。
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願いを思い描くことと、現実を動かすこと。その二つの間には何があるのでしょうか。ジョン・マクドナルドの『マスターの教え』は、ある男が人生の達人と出会い、心の力の使い方を学ぶ物語です。

原著が刊行されたのは1929年。現代の自己啓発書で語られる、明確な目標、イメージ、反復、行動という考え方が、144ページの小さな本に収められています。SPIRÉ編集部は、自分が望むことを確かめ、行動を続けるための古典としておすすめします。

3分でわかる、この本の内容

物語の語り手は、人生を思いどおりに生きているように見える「マスター」と出会います。そこで教わるのが、心には異なる働きがあり、外側の感覚や迷いに振り回されるだけでなく、内側へはっきりした目的と像を渡すことが大切だ、という考え方です。

本書は、身体の働きを担う「深層の心」、与えられた像を選別せず受け取る「内なる心」、五感を通じて考えたり迷ったりする「外なる心」という独自のモデルを用います。そして、目標を明確にし、実現した場面を心に描き、疑いや抵抗で弱めず、現実の行動を続けることを促します。

本書のキーワードSPIRÉの読み解き
明確な目的何となく成功したい、ではなく、次に実現したい状態を言葉にする
心の像空想に逃げるのではなく、行動の向きを思い出す設計図にする
内なる心・外なる心無意識と日常意識を説明する、著者独自の比喩
持続一度の高揚より、同じ方向へ小さな行動を重ねる
非抵抗問題を否定せず、目的へ使える力を散らさない

いま、この本をおすすめする理由

情報が多いほど、方法を集めるだけで満足してしまうことがあります。本書が繰り返すのは、目的を一つに定め、その像へ心を戻し、実際に動くというシンプルな流れです。注意と行動をそろえる練習として読むと、古い言葉が現在の暮らしへつながります。

1. 短いから、考え方の芯が見えやすい

物語と教えが交互に進み、複雑な理論や多数のワークはありません。何を望むのか、心にどんな像を置くのか、今日何をするのか。迷ったときに戻れる三点が明快で、自己啓発書を何冊も読み疲れた人にも入りやすい構成です。

2. イメージと行動を切り離さない

本書は内面の力を強く語りますが、目的を定めたあとに必要なのは、現実の仕事と持続です。心の像を描くのは、次の行動を選びやすくするためです。結果を待つだけでは終わりません。願望と予定表が同じ方向を向いているかを確かめる読み方ができます。

3. 宮本真由美さんが、斎藤一人さんから薦められた本として旧題版を紹介している

宮本真由美さんは、斎藤一人さんのおすすめ本を紹介する動画のなかで、斎藤さんから薦められた本として『運命の貴族となるために』を手に取り紹介しています。同書は1996年に刊行された本書の旧題版で、2001年に『マスターの教え』へ改題・新装されました。

こんな人におすすめ

  • 目標を立てても、途中で別の方法へ気持ちが移ってしまう人
  • イメージングを、現実の行動へつなげたい人
  • 潜在意識を扱う自己啓発書の古典を読みたい人
  • 短く、繰り返し開ける一冊を探している人
  • 斎藤一人さんの教えに親しみがあり、紹介された本の系譜を知りたい人

望む場面を、今日の動作まで近づける

「落ち着いて働きたい」という願いなら、どんな一日を思い浮かべるでしょう。朝いちばんに机を整える、手をつける仕事を一つ選ぶ、終わったところで休む。目標の言葉を、実際に目に浮かぶ場面へ近づけてみてください。

本を読みながら、心に残った考えと、試してみたい動作を別々にメモしておくのも一案です。次に開くときは、その動作をやってみてどうだったかを一言。物語の教えと自分の毎日を、行き来しながら読めます。

読んだあとに試したい、1つのアクション

10分だけ、目的を現実の一歩へ変える。

紙の上へ、一週間以内に自分の行動で近づける目標を一つ書きます。「豊かになる」ではなく、「見積書を一件送る」「応募先を三社調べる」のように、完了がわかる言葉にします。

次に、完了した場面を60秒だけ思い描きます。どこにいて、何が見え、どんな表情をしているか。そのあと、24時間以内にできる最初の物理的な一歩を実行します。ファイルを開く、相手の連絡先を探す、予定へ15分入れる。像を描いたまま終わらせず、現実側へ小さな証拠を一つ置いたら完了です。

著者 ジョン・マクドナルドについて

ジョン・マクドナルドは、原著『The Message of a Master』の著者です。生没年や経歴などの詳しいプロフィールは明らかになっていません。

1929年から続く書誌の歩み

原著は1929年に刊行されました。日本では山川紘矢さん・亜希子さんの翻訳により、1996年に『運命の貴族となるために』として刊行。2001年の改題新装版を経て、2014年に現在の文庫版が発売されました。

著者自身の人物像は多く残されていなくても、一つの物語が版と題名を変えながら読み継がれてきたことは確認できます。本書では、著者像を推測するより、本文の教えと自分の現実を照らし合わせる読み方が似合います。

公式情報・書誌

情報源確認できること
飛鳥新社|マスターの教え 文庫版発売日、ページ数、ISBN、訳者、出版社による内容紹介
国立国会図書館サーチ|2001年版原題、旧題『運命の貴族となるために』との関係
Google Books|1929年版原著の出版社、刊行年、ページ数、物語の概要
宮本真由美さんの紹介動画斎藤一人さんから薦められた本として旧題版を紹介する場面

来歴・書誌の出典:飛鳥新社、国立国会図書館サーチ、Google Books、宮本真由美さんの紹介動画。