
値上げの相談や解約の申し出を、言い出せないまま抱えていませんか。
吉日と凶日が同じ日に来ると、ふつうは進めと待てが同時に聞こえてきます。この日はそうなりません。己巳の日の己は、五行では土にあてられる字です。蓄える場所、収める器、育てる畑。生み出すほうではなく、受け止めるほうを担っています。
不成就日のほうは、婚礼や開店のような始まりを一日先送りにする日として置かれてきました。土の字が留めることを言い、凶の注記が始めないことを言っている。二つとも、その場を整える方向へ顔を向けています。
己巳の日と大安と不成就日が並ぶ日がわかる3つのこと
- 二つは打ち消し合いません。 六十干支の側と凶日の側が、期せずして似た話をしている珍しい取り合わせです。
- 進めてよいと言っているのは大安だけです。 しかも力を出すのは、ひとりで動く場面ではなく人との調整のほうです。
- 向くのは、増やす話ではなく直す話です。 値上げの相談、条件の見直し、解約の申し出。どれも新しく起こす行いには当たりません。
言い出しにくい話を、この日に切り出す
ここまでほどくと、使い方が一本に絞れます。ひとりで進める話は控えめにして、相手のいる話だけを動かす。しかも動かすのは増やす方向ではなく、形を直す方向のものにする。
整える方向へ動かす4つの用件
- 続いている支払いのうち、金額を思い出せないものを調べます。 思い出せないものほど、見直す値打ちがあります。
- 受け取る側の条件を一つ書き直して、相手に伝えます。 書いてから伝えると、口ごもらずに済みます。
- 断りたいまま抱えている頼まれ事に、この日に返事をします。 断るのは、始めることではありません。
- 前回の己巳の日の手帳を開き、変わった数字に印をつけます。 六十日前との差だけを見ます。
大安が効いてくるのは二つ目と三つ目です。値上げや条件の見直しは言い出しにくいものですが、日取りの説明で手間取らないぶん、本題に時間を使えます。
整える日に、点数をつけない
点検の日は、手応えが薄いものです。解約を一つ済ませても、通帳の数字はほとんど動きません。始める日のような高揚がないので、何もしなかった日と区別がつかなくなります。
だから、やったことだけを書き留めておくのが要点になります。金額ではなく行いを記録する。六十日後に己巳の日が巡ってきたとき、前回どこを直したかが読めれば、この日は十分に働いたことになります。畦を直す作業に近いもので、直した効き目は水が流れてから分かります。
打ち消し合わずに、同じ方角を指す
開運日と凶日が同席する日の多くは、読む人が迷うようにできています。片方が進めと言い、もう片方が待てと言うからです。
ところがここでは、稼ぐ工夫よりも漏れをふさぐ工夫、着手よりも見直し、と二つの注記の行き先がそろいます。もともと暦注は、互いを打ち消すように設計されたものではありません。それでも、まれに同じ方角を指すことがある。この日はその例に当たります。
六十日の点検日に、八日の休符が乗る
間隔のかみ合い方も面白いところです。己巳の日は六十日に一度巡ります。不成就日は旧暦の月ごとに起点を決め、その月の中では八日おきに置かれます。長い周期の点検日に、短い周期の止まる日が重なっている。
そこへ六日で回る六曜が加わります。六曜も旧暦の月替わりに起点が変わります。大安や不成就日との重なりは、六十日ごとの己巳の日とは別に暦を見て確かめます。三つがそろう日程は、その年の暦で確かめます。
相談の前に、三つのメモを作る
続いている支払いを見直すなら、「今の条件」「変えたい点」「先に確かめたいこと」を別々に書いてみてください。たとえば毎月使うサービスなら、利用した回数と支払額を見てから、休止できるか、いつまでに連絡するかを確かめます。相手に伝えるときは、変更したい点を一つに絞ると話を始めやすくなります。返事をもらった日と、実際に条件が変わる日も残しておけば、次の己巳の日に何を確かめればよいかが分かります。
よくある質問
Q. 不成就日に解約や値下げの交渉をしてもよいのですか
控えるものとされてきたのは、婚礼や開店のように新しく起こす行いです。すでに続いているものを止めたり直したりする作業は、その範囲に入っていません。
Q. 己巳の日に弁財天へお参りしてもよいのですか
差し支えありません。社寺の行事は暦注の吉凶とは別の系統で決まっているので、凶とされる注記が乗っても日程は動きません。
Q. 三つそろう日は、年に何回くらいありますか
回数は年ごとの暦で確かめます。己巳の日は六十日周期ですが、不成就日と六曜は旧暦の月替わりで起点が変わるため、一定の日数を足すだけでは三つの重なりを求められません。
出典
- 十干の己と五行の土の対応についての一般的な解説
- 不成就日に控えるものとされた行いの範囲を示した暦書の記述