
年末に立てた計画が、正月をはさむといつの間にか消えている。毎年そうなっていませんか。
三つのうち二つは、そもそも別々には成り立ちません。天赦日が立つ日は季節ごとに干支が指定されていて、冬にあてられているのが甲子だからです。 冬に巡ってくる天赦日は、そのまま六十干支の先頭の日でもあります。二つの吉日が出会ったのではなく、もとから同じ日を指していたわけです。
変わるのは三つ目だけ。そこに選日の一粒万倍日が乗るかどうかは、節切りの月がどこにかかっているかで決まります。三つ揃う日が年に一度あるかないかという頻度に落ち着くのは、この一点によります。
天赦日・一粒万倍日・甲子の日の重なりがわかる3つのこと
- 冬の天赦日は、はじめから甲子の日です。 偶然の同席ではなく、暦の決まりのほうから約束された組み合わせです。
- 年の暮れに立ちやすい日です。 冬の区切りは立冬から立春の前日までを指すので、新暦では十一月から二月の初めごろに入ります。
- 数え直しの起点として使えます。 甲子は六十日でひと巡りする周期の一日目にあたるからです。
六十日先は、年をまたぐ
年の暮れにこの日から数えはじめると、次に同じ日が戻ってくるのは、年が改まってしばらく経ったころになります。つまりこの日に決めたことは、否応なく年末年始をまたぎます。
ここが使いどころです。十二月に立てた計画は正月の慌ただしさで途切れやすいものですが、六十日という区切りを先に置いておけば、途切れたこと自体を後から確かめられます。
年をまたぐ六十日に決めておく4つの項目
- この日から六十日後に確かめたいことを、一つだけ書き出します。 複数あると、どれも確かめないまま過ぎます。
- 前に途中で止めた理由を一行だけ添えます。 責める言葉は使わず、事情だけを書きます。
- 年をまたぐぶん、休む日をあらかじめ決めておきます。 休みを決めていない計画は、正月に崩れます。
- 次の甲子の日を手帳に探して、印だけつけます。 読み返す約束をそこに置いておきます。
読書の続きに、年をまたぐ目印を置く
読みかけの本を続けたいなら、いま開いているページと、次に読む時間を残してみます。「休日の朝に十ページ」のように、暮らしの中で取れる時間から決めます。年末年始に読まない日があっても、しおりを同じ場所へ戻しておけば、続きは消えません。次の甲子の日には、読んだ量だけでなく、読みやすかった時間帯も確かめる。六十日の記録を、次の六十日を過ごす手がかりにできます。
三つ揃った日を、どう構えるか
年に一度あるかないかと聞くと、それに見合う大きなことを用意したくなります。天赦日を扱ううえでいちばん厄介なのは、この圧のほうでしょう。当日に動かなかったという事実が、そのまま新しい後悔になりかねません。
一粒万倍日が加わっているのは、その意味で救いになります。一粒という単位は、はじめから小さいものを指しています。書類を一枚そろえる、見積もりを一つ取る、相談の予約を入れる。そうした前段の作業を置いておくほうが、六十日のあいだ続きます。
年の終わりに立つ日として、もう一つできることがあります。手をつけないまま置いてある箱や書類を、一つだけ減らすことです。そこにあるのは、たいてい過去の決めごとの残りでしょう。
年の暮れに立ちやすい理由
冬という季節の区切りは、立冬から立春の前日までを指します。この幅のなかで甲子の日が回ってくるので、三つ揃う日も年末に近い時期へ寄りがちです。
一年を締めくくる時期に、赦しの日と始まりの日が同時に来る。暦のうえでは偶然の産物ですが、暮らしの側から見ると、ずいぶん都合のよい配置に見えます。片づけの季節と、数え直しの季節が重なっているからです。
よくある質問
Q. 冬の天赦日は必ず甲子の日になるのですか
季節ごとの担当の干支が冬は甲子と定められているので、そうなります。ただし甲子の日がすべて天赦日になるわけではありません。冬の区切りの外にある甲子は、ふつうの甲子の日です。
Q. 甲子の日と天赦日、どちらとして扱えばよいですか
やることで分けると迷いません。止まっているものを再開するなら赦しの側、六十日単位で何かを数えはじめるなら周期の一日目として扱います。同じ日に両方を置いても構いません。
Q. 年末に始めたことは、いつ振り返ればよいですか
六十日後、つまり次の甲子の日が目安になります。年末に始めた場合は年明けの振り返りとなり、正月をはさんでどのように続けられたかを確かめられます。
出典
- 冬の天赦日にあてられた干支についての暦注の記述
- 六十日で一巡する干支の数え方に関する暦の解説