
子どものころ夢中でやっていた遊びを、いまはひとつも続けていない。ふとそう気づくことはないでしょうか。
獅子座の新月は、太陽が獅子座を進むあいだに巡ってきます。日差しが強く、夕立が来て、蝉の声が厚くなる時期。この星座が受け持つのは創造と遊び、そして自分の内側にあるものを外へ出す働きです。
十二の星座のうち、太陽を守り星に持つのは獅子座だけです。その太陽と月が空の同じ向きにそろう日が新月なので、獅子座にとっては一年の基準になる位置と考えられます。年によっては日食が重なりますが、多くの年は静かなふつうの新月として過ぎていきます。
獅子座の新月がわかる3つのこと
- 時期は七月下旬から八月中旬ごろ。 太陽が獅子座へ移るのは大暑の少しあと。そこから次の星座へ渡るまでのあいだに、新月が一度入ります。
- 受け持つのは創造・遊び・表現。 作ること、楽しむこと、人の目に置くこと。この三つがひと続きの動きとして扱われます。
- 守り星の太陽には、代わりがいません。 ほかの星座には星を分け合う組み合わせもありますが、獅子座と太陽の対応は一対一です。
忘れていた「好き」を、先に拾う
願いを書く前に、思い出す作業を置いてみてください。
この新月がうまく使えない理由の多くは、願いの中身ではなく順番にあります。何がしたいかをいきなり考えても、いまの生活の枠から外れた答えは出てきません。先に、昔夢中だったものを並べたほうが早いのです。粘土、リコーダー、迷路づくり、図鑑の書き写し。あとで役に立たなかったものほど、この日には効きます。
三つ書き出せたら、そのうちひとつに今週三十分だけ使ってみる。上達も発表も要りません。手が動くかどうかを確かめる三十分です。
獅子座の新月に願いを書く5つのこつ
- 主語を「私が」に固定します。 誰かに認められる形ではなく、自分が何をするかで書きます。
- 名詞ではなく動詞で書きます。 「注目される人」より「毎週ひとつ作る」のほうが、翌朝の手が動きます。
- 見せる相手を一人だけ決めます。 大勢に届けることを最初の条件にすると、着手そのものが遅れます。
- 楽しい予定を、日付ごと入れます。 遊びは余った時間には残らないので、先に場所を取ります。
- 出来ばえの基準を低く置きます。 精度を上げるのは、次に来る乙女座の時期の仕事です。
三つめを考え、ひとりでいいと決めると、作るものの中身が変わることがあります。
三十分で、ひとつ遊んでみる
粘土が好きだったなら、小さな鳥を一羽作るくらいから始められます。道具をそろえる日は別にせず、手元の粘土と水だけで形にしてみる。三十分たったら途中でも手を止め、楽しかった工程を一つ覚えておきます。「羽をつけるところが好きだった」と分かれば、次はそこから再開できます。完成品を残すことと、楽しい時間を持つことは、別々に考えてよさそうです。
人前が苦手な人ほど、この日を使えます
獅子座と聞いて、自分には縁がないと感じる人は少なくありません。目立つのが苦手、写真を撮られるのも苦手、拍手をされると落ち着かない。
けれども、この星座が問うているのは声の大きさではありません。自分の中から出てきたものに、自分で名前をつけられるかどうかです。名前をつけるというのは、匿名のまま流さない、誰が作ったものかを自分では分かっている、という程度の意味に近いところがあります。手帳の隅の落書きでも条件は満たします。
外へ出す段階も、いきなり広い場所を選ばなくて構いません。家族に一枚見せる、友人に音を聞かせる。それで外に出したことになります。
楽しさが、義務に変わる線
夏の盛りに来る新月なので、勢いが出すぎることもあります。
作りたい気持ちが高いうちに予定を積むと、翌週には締切のような顔をした「好きなこと」が残ります。線を引く目安は、やめてもいいと思えるかどうかでしょう。やめてよいと分かっている状態で続いているものだけが、遊びのまま残ります。 続けなければならなくなった時点で、別の種類の活動へ移っています。
比べる相手を作らないことも書いておきます。同じことをしている上手な人はいくらでも見つかりますが、見つけた瞬間に手が止まる人のほうが多いはずです。この新月に向くのは、順位のつかない場所に自分の作業台を置くことでしょう。願いを形にするという言い方についてはマニフェステーションのページへ。
獅子とレグルス
星座になった獅子は、ヘラクレスが最初の仕事で倒したネメアの獅子だと伝えられます。刃の通らない毛皮を持ち、力ずくで組み伏せるほかなかった相手でした。倒したあとヘラクレスはその毛皮を身にまとったとされ、退けた相手の強さを、そのまま自分の装いに変えたことになります。
この星座でいちばん明るい星はレグルス。名前は小さな王を意味する語から来ていて、獅子の心臓の位置にあたる星として扱われてきました。太陽の通り道のすぐそばにあるため、月や惑星がこの星に近づく様子を見られる年もあります。
黄道十二星座の並びでは、蟹座の次の五番目に置かれています。内側へ折り返して力をためた段階のあとに、外へ出す段階が来る。この順番は、しばらく休んでいた人ほど納得しやすいところかもしれません。
月の見えない夜に、手を動かす
この日、月は太陽と同じ向きにいるので空には見当たりません。そのぶん街の明かりが少ない場所では星がよく見えます。
過ごし方としては、家の中で手を動かす時間を三十分だけ取るのが向いています。書く、描く、弾く、こねる。何でもかまいませんが、途中に「人に見せたらどう思われるか」を挟まないでください。反応がない状態でも楽しいと感じられたものが、この夏に続く候補になります。
書き残すのは三行で足ります。昔好きだったこと、今週三十分やること、最初に見せる相手の名前。三行目まで書けた年は、秋になるころに何かしら形が残っています。
よくある質問
Q. 願い事は新月から何時間以内に書くものですか
新月の日の夜や週末など、落ち着いて座れる時間を選んでみてください。思い出した日にノートを開き、今の願いを一文から書き始められます。
Q. 獅子座生まれでなくても関係がありますか
あります。新月は空の側の出来事なので、生まれた星座に関係なく、その日の空気として同じように扱われます。
Q. 作りたいものが何も浮かびません
浮かばない日は、昔好きだったものを三つ書き出すところで止めておいてください。中身は、手を動かし始めたあとから出てくることのほうが多いものです。
出典
- 国立天文台 暦計算室「暦象年表」による朔の日時
- 太陽を守護星とし創造と自己表現を受け持つ星座として獅子座を読む占星術の慣例
- ネメアの獅子とヘラクレスの伝承についてのギリシア神話の記述
- レグルスの名称および太陽の通り道に近い位置についての各天文機関の解説