
「正午」の午が、十二支の午だと気づいていましたか。
十二支は動物の名前だけのものではありません。もとは年を数える記号で、そこに方角と時刻が結びつき、さらに月の区切りにも使われるようになりました。「子午線」も「正午」も、この配置から生まれた言葉です。
癸巳(みずのとみ)月は、立夏から芒種の前日までの一か月。暦のうえで夏に入りますが、体のほうはまだ春の続きにあります。
癸巳月がわかる3つのこと
- 巳は南南東、時刻では午前9時から11時ごろです。 日が高くなり、まだ暑さの頂点には届いていない位置にあたります。
- 水が火を抑える組み合わせです。 ただし癸の水は量が少なく、消すのではなくしめらせる形として読まれます。
- 上りきる直前の段階とされます。 真南の午がひとつ先に控えているためです。
熱が上がりきる前にできること
5月は日差しが夏に近づく一方で、朝晩の空気はまだ湿って冷たい。田に水を張る時期でもあり、水と熱の両方がないと進まない作業が並びます。
連休の疲れが出やすい時期でもあるので、動ける量を高く見積もりすぎないほうが無難です。派手な決断より、あとで効いてくる支度のほうが合う一か月です。
癸巳月に済ませておきたい4つのこと
- 夏物を出しながら、去年着なかったものを手放す
- 冷房や扇風機を点検して、暑くなる前に使える状態にしておく
- 水分の摂り方や飲み物の習慣を、この時期に切り替える
- 進行中のことを一度並べ、6月以降へ持ち込む分を決める
衣替えと夏の道具を、一度に確かめる
薄手の服を出す日に、帽子や水筒の置き場所も決めておくと、暑い朝の支度がまとまります。扇風機や冷房の手入れは取扱説明書を開き、できる作業と相談が要る作業を分けておきましょう。去年の夏に探すことが多かった物を一つ思い出すと、今年先に整える場所が見つかります。
方位盤としての十二支
方位盤では、子を真北に置いて時計回りに十二支を並べます。午が真南、卯が東、酉が西。北と南を結ぶ線を子午線と呼ぶのは、この並びからです。
一日の時計として見ると、月の性格もつかみやすくなります。巳は動き出しから数えて6番目。勢いはついているけれど、まだ余力がある位置です。伝統的な解説で巳が「充実」や「集中」と結ばれるのは、この途中経過としての位置づけからきています。
蛇の字が当てられたのは後の時代の覚え方で、脱皮を繰り返す姿から更新の象徴として語られることもあります。
雨露の水は、火を消さない
癸は陰の水で、雨や露、霧のような細かい水にたとえられます。巳は五行では火。水は火を剋(こく)す関係、つまり抑える側に置かれます。
ただし大河にたとえられる壬とは違い、癸の水は量が少ない。抑え込むというより、しめらせて熱を和らげる形として説明されることの多い組み合わせです。実際の季節とも重なっていて、田に張る水が土の温度を保つ姿がよく引き合いに出されます。
夏の入口については立夏でも触れています。
よくある質問
Q. 癸巳月はいつめぐってきますか
丙の年と辛の年の巳月が癸巳です。5年おきに回ってきます。
Q. 十二支の時刻は1つで2時間ですか
そうです。12で一日を分けるので、1つの支がおよそ2時間です。巳の刻は午前9時から11時ごろを指します。
Q. 方位や時刻と五行は同じ体系ですか
別々に成り立ったものが重なっています。十二支に方位や時刻を当てる体系と、五行を当てる体系は時期も背景も違うため、説明が一本の理屈で通っていなくても不思議ではありません。
出典
- 国立天文台 暦計算室「二十四節気および雑節」
- 十二支の方位・時刻および五行配当に関する暦学の一般的な解説
- 香港天文台「天干和地支」表四・年干と月干の対応