雨の庭を背景に、二人で野菜の下ごしらえをする手元
支える仕事も分け合って、続けられる配分を探します。
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人の役に立っているはずなのに、なぜか自分だけが減っていく。そんな時期はありませんか。

甲午(きのえうま)月は、その手ざわりが理屈りくつとして説明できる一か月です。芒種ぼうしゅに入る日から始まり、小暑しょうしょの前日まで。梅雨入つゆいりと重なる時期にあたります。

上に乗る甲きのえは、大木たいぼくや柱にたとえられる太い木。下の午は火です。木は火を生むので、五行ごぎょうでいえば助け合う側の関係になります。ただ、助けるという言葉から受ける印象とは、少し違う顔を持っています。

甲午月がわかる3つのこと

  1. 木が火を生む関係にあります。 一方が他方を助ける関係を、相生(そうじょう)と呼びます。
  2. 生む側は減っていきます。 薪が燃えて炎が上がるとき、木のほうは目減めべりします。
  3. 途中に夏至が来ます。 昼の長さが最大になり、翌日から短くなり始める日です。

燃やしすぎないための配分

太いものが燃料になると、火は長く強く燃えます。表に出るものが目立つぶん、支えている側の減り方は見えにくい。 甲午がそう読まれてきたのは、この形からです。

動き出す力が強い月として説明されることが多いので、そのつもりで走ると6月末には息が切れます。目に見える成果より、続けられる速さのほうを先に決めるのが現実的です。

甲午月の4つの配分

  1. 抱えている用件ようけんを書き出し、火をつける先をひとつに絞る
  2. 人に任せられる作業を洗い出して、実際に渡すところまでやる
  3. 湿度が上がる時期なので、寝具しんぐと部屋の風通かぜとおしを先に整える
  4. 使う体力の総量を決めてから、予定を入れる

「洩らす」という古い言い方

五行の相生は、木が火を生み、火が土を生み、土が金を生み、金が水を生み、水が木を生むという循環じゅんかんです。

相生は相剋そうこくよりよい、と単純に並べられることがあります。けれども生む側から見ると話が変わります。火は勢いを得ますが、木は減っていく。古い解説書がこの関係に「洩(も)らす」という言葉を当てるのは、そういう見方からです。洩らすとは、力が外へ出ていくという意味合いで使われます。

よい組み合わせ・悪い組み合わせという言い方に出会ったら、何を基準にそう言っているのかを確かめると混乱しません。

上りきった先で、向きが変わる

午は十二支じゅうにしの並びのなかでは折り返し点にあたります。伸びる方向ではなく、極まった先で向きが変わり始める場所です。

暦のうえでも、この月の途中に夏至が来ます。日の長さが最大になり、翌日から少しずつ短くなる。もっとも高いところを通り過ぎるので、支の位置づけと季節が重なっています。

芒種の芒は、稲や麦の穂先ほさきにある細いとげのこと。その種をまく頃という意味の節気せっきで、くわしくは芒種にあります。

暮らしの中で試すなら

夕食の準備を一人で抱えているなら、買い物、洗う、調理、片づけを分けて書いてみます。頼めそうな工程を一つ選び、終わる時刻や置き場所まで伝えると渡しやすくなります。空いた時間を別の用事で埋めず、いったん座る時間として残すところまでが配分です。

よくある質問

Q. 甲午月はどの年にめぐってきますか

丙ひのえの年と辛かのとの年の午月うまづきが甲午です。5年に一度回ってきます。

Q. 相生の月は運が良いのですか

相生は助ける向きを示す言葉で、吉凶きっきょうの判定ではありません。生まれる側が強くなりすぎれば負担が出ますし、抑える関係が形を整えることもあります。

Q. 実際の田植えは芒種のころですか

いまは芒種より早い地域が多くなっています。節気の名前は昔の農作業の目安なので、現在の作業時期とはずれがあります。

出典

  • 国立天文台 暦計算室こよみけいさんしつ「二十四節気にじゅうしせっきおよび雑節ざっせつ」
  • 五行の相生および十干じっかんの自然物比喩ひゆに関する四柱推命しちゅうすいめいの一般的な解説