
連休が明けたあと、4月に始めたことがそのままになっていませんか。
乙巳(きのとみ)月は、ちょうどその立て直しの時期に重なります。立夏に入る日から芒種の前日まで、暦のうえでは夏の最初の一か月です。
上に乗る乙は、蔓や草花のように柔らかく伸びる植物。下の巳は五行では火です。木は火を生む関係なので、上の干が下の支を養う形になります。細い草が火を支えると、大きくは燃えないかわりに長く続く。 乙巳が「集めて保つ」組み合わせとして語られるのは、このたとえからです。
乙巳月がわかる3つのこと
- 暦のうえで夏に入る一か月です。 立夏から始まり、芒種の前日で終わります。
- 勢いより持続に重心があります。 大きく燃やすより、消さずに保つ形として読まれてきました。
- 十二運では「沐浴」にあたるとされます。 育ち始めたばかりで足元が定まらない段階、という意味です。
足場を固めておく一か月
連休が明けて日常が戻る時期です。生活の速さが元に戻るまでに時間がかかる人も多く、疲れが遅れて出てきます。
続けたい習慣ほど、続く速さまで落として設定し直す。 火を大きくするより絶やさないことに重心がある月と考えると、扱いやすくなります。
乙巳月に固めておきたい4つのこと
- 4月に始めたことを一つに絞り、残りは後ろへ回す
- 気温が上がる前に、寝具と部屋の空気を入れ替える
- 疲れの出やすい時期なので、休む日を予定表へ先に入れる
- 育てている習慣を、量ではなく回数で管理し直す
十二運という、もうひとつの物差し
干と支の関係を測る道具は、五行だけではありません。四柱推命には十二運(じゅうにうん)と呼ばれる見方があり、干が支の上でどの段階にいるかを、人の一生になぞらえて示します。
並びはこうです。胎、養、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺、衰、病、死、墓、絶。宿ってから育ち、盛りを過ぎて消え、また宿るところへ戻る循環になっています。
強い弱いを直接いう言葉ではなく、位置を示す言葉として作られています。帝旺が最上でも、絶が最悪でもありません。 盛りには盛りの窮屈さがあり、絶には次へ移る前の身軽さがある。そういう読み方をされてきました。
同じ組み合わせが、本によって別の段階になる
十干それぞれに、十二支のどこがどの段階かを決めた表があります。乙の場合、広く使われる表では巳が沐浴にあたります。産湯を使う段階、という意味です。
ただし表の組み立て方には流儀があります。陽の干は十二支を順にたどり、陰の干は逆にたどるという立場が広く使われる一方で、陰陽を分けずに同じ向きで回す流派もあります。どちらを取るかで、乙巳が何の段階になるかは変わります。呼び名には資料による違いがあります。
段階の名前は、巡りの中での位置を表しています。それぞれの意味を、前後の段階と合わせて読んでみてください。
夏の入口にあたる日は立夏で読めます。
暮らしの中で試すなら
連休で止まった習慣を戻す日は、休んだ分を取り返そうとせず、いちばん短くできる形にしてみます。語学なら一問だけ、片づけなら机の一角だけでも、次に取りかかる場所が決まります。できた回数を残し、続けられるようになってから量を増やすと、自分に合う速さを探せます。
よくある質問
Q. 乙巳月はどの年に来ますか
丁の年と壬の年の巳月が乙巳です。回ってくるのは5年に一度です。
Q. 沐浴という段階は不安定という意味ですか
足元がまだ定まらない時期を指す言葉として説明されます。悪い運勢を意味する札ではなく、育ち始めの位置を示すラベルだと受け取るほうが、この物差しの使い方に近いです。
Q. 十二運と五行はどちらを先に見ますか
流派によります。十二運は五行の相生相剋よりあとに整えられた体系だと説明され、そのぶん組み立て方に幅が残っています。
出典
- 四柱推命における十二運の体系および陰干の扱いに関する一般的な解説
- 国立天文台 暦計算室「二十四節気および雑節」