
二つの吉日が重なる日と聞いて、両方に応えようとして疲れてしまったことはないでしょうか。
天赦日から数えれば、年にわずか数回しかない日のうちの一つです。一粒万倍日から数えれば、四十回ほどあるうちの一日にすぎません。片方にとっては貴重な機会、もう片方にとってはよくある日。この釣り合いの悪さが、この重なりの性格をつくっています。
多くの組み合わせでは、どちらの暦注を主に読むかを選べます。ここではそうなりません。年に数回の側が自然と前に出て、もう一方は添えられる格好になります。
天赦日と一粒万倍日の重なりがわかる3つのこと
- 主役は数の少ないほうです。 天赦日が前に立ち、一粒万倍日はその相手役として出番の多い日、という関係になります。
- 時間の向きが逆を向いています。 片方は後ろに置いてきたものを、もう片方はこの先どうなるかを扱います。
- 足し算にはなりません。 別々の系統から来た注記が、たまたま同じ日に落ちているだけです。
後ろの一件を、前の一粒に
向きが逆だと聞くと扱いにくそうですが、実際は当日の使い方を素直に決めてくれます。後ろの一件を選んで終わらせ、その場所に前へ向かう一粒を置く。二つを別々の行いにするより、ひと続きの動作にしたほうが、重なった日らしくなります。
済んだことを次の一粒に変える4つの手順
- 一度あきらめた申し込みを選んで、締め切りだけ調べ直します。 出すかどうかは、まだ決めなくて構いません。
- 途中で止まった学びを、最初に戻らず続きのページから開きます。 戻ると二度目も同じ場所で止まります。
- 前に失敗した理由を一行だけ書き、それを今回の条件に組み込みます。 ここが後ろと前をつなぐ蝶番になります。
- 明日も続けられる大きさの行いを一つ決めます。 一粒という単位は、はじめから小さいものを指しています。
三つ目は地味ですが、この日らしい手順です。赦しは免罪符とは違います。咎めがない日だと広く読みすぎると、条件を確かめないままの申し込みや、支度の足りない再開に流れてしまいます。
前に止まった理由を、次の支度に変える
たとえば鉢植えの手入れを再開するなら、まず空いた鉢を一つきれいにし、道具を同じ場所へまとめます。前は道具が見つからず後回しにしたのなら、今度は取り出す手間を減らしておく。読書なら本を置く場所、手仕事なら途中の道具のしまい方を変えることもできます。「続かなかった」で終わらせず、止まった場面を一つ具体的に思い出すと、今日できる小さな支度が見つかります。
四十回来る側の性格を借りる
年に数回の日だと知ると、それに見合う決断を用意しなければという気持ちが出てきます。ここが天赦日のいちばん扱いにくいところで、動かなかったこと自体が新しい後悔になりかねません。赦しの日に自分を責めることになるのは、いかにも本末転倒でしょう。
一粒万倍日が添えられているのは、その意味で救いになります。もともと数の多い日で、始めたことが二週間で止まっても次はすぐに来ます。大きな決断ではなく、その前段にある小さな支度を置く。四十回来る側の性格を借りておけば、この日は静かに使えます。
過去を向く日と、先を向く日
天赦日が扱うのは、後ろに置いてきたものです。天がその日だけは咎めを持ち出さない、という説明のとおり、済んだことの扱いを変える日として語られてきました。対する一粒万倍日は、まいた種がこの先どうなるかという話をします。
天赦日は単独で案内されることが少なく、たいていほかの吉日と一緒に紹介されます。数の多い一粒万倍日は、その相手役として最も出番の多い日です。暦の上で天赦日は、ほかの吉日を連れてくる日として現れる、という言い方もできます。
よくある質問
Q. 天赦日と一粒万倍日が重なる日は、年に何回ありますか
年によりますが、天赦日そのものが年に数日なので、そのうちの一部です。一粒万倍日は月に何度も巡ってくるため、重なる確率はそれほど低くありません。
Q. この日に借りたお金を返してもよいのですか
一粒万倍日については、借金や物を借りることは避けるという言い伝えがあります。増えて困るものも万倍になる、という読みからです。返すほうを控える言い伝えは伝わっていません。
Q. 二つが重なる日に何もできなかったら、次はいつですか
天赦日は年に数回、一粒万倍日は月に何度も来ます。二つ揃う日を待つより、どちらか一方が来た日に手を動かすほうが早く進みます。
出典
- 暦注下段に並ぶ吉日の格付けについての解説
- 選日が年に四十回ほど巡ることを示す暦書の記載