
カレンダーに良い日と悪い日が同時に書いてあったら、どちらを信じますか。
一粒万倍日は年に四十回ほど、不成就日はひと月に三回から四回めぐります。どちらも数の多い注記なので、同じ日に落ちる機会は毎年いくつも生まれます。 めずらしい事態として構えることもないでしょう。
正反対の意味に見えますが、二つは別々の物差しで動いています。片方は増える話、もう片方は始めない話。同じ日に並んでいても、指している場所がずれているだけです。
一粒万倍日と不成就日の重なりでわかる3つのこと
- 年に何度も来る、ありふれた取り合わせです。 数の多い注記どうしなので、特別な日ではありません。
- 昔の暦では、良い注と悪い注が同じ欄に同居していました。 一日に一つの評価が下される、という見方はあとからできたものです。
- どちらが勝つかの定めはありません。 良いほうを取る本も、悪いほうを先に見る本もあり、統一した規定は見当たりません。
増える日と始めない日が並んだときの4つの手順
- 増やしたいものを一つだけ決めて、五分で終わる分量に切ります。
- その一つと関わらない申し込みや買い物は、翌日以降へ送ります。
- 条件を読まないまま決めそうな件は、条件だけ読んで手を止めます。
- 今日決めなかったことを、日付を添えて書き残しておきます。
一粒万倍日は月に三回から五回めぐり、今日を見送っても、次の機会はすぐそこにあります。逆に、この日に置いた小さな一つが半年後まで続いていたなら、それは日取りとは別の理由で続いています。
昔の暦は、良い注と悪い注を並べて刷っていた
古い暦を開くと、一日の欄に注記が何行も並んでいます。江戸期の民間の暦では、日々の吉凶を記した項目が数十種にのぼり、良いとされる注と控えるべきとされる注が同じ日に同居しているのが当たり前の眺めでした。
暦はもともと、いくつもの物差しを束ねて刷るものだったのです。読む人はその日に何をするかを先に決めて、それに関わる行だけを拾う。そういう使われ方を前提にした紙面でした。
控えるべき注記を一つずつ外していくと、残る日はずいぶん心細くなります。ひと月に三、四日が消え、六曜の仏滅でさらに五日前後が消え、ほかの凶とされる項目まで数え入れれば、動ける日はほとんどなくなります。守りきれない決まりが並んだ暦を、人は昔から自然と選んで読んでいました。
暮らしの中で試すなら
読書を習慣にしたいなら、今日することを「手元の本を一ページ読む」までにしてみます。新しい講座への申込みや本のまとめ買いは、別の判断として残しておきましょう。読んだあと、明日も同じ時間に開けそうかを確かめます。続けたい行動と、そのためにお金を使う行動を分けると、暦注が重なる日も選びやすくなります。
よくある質問
Q. この日に財布を使い始めてもよいですか
日を選べる行いなので、気になるなら次の一粒万倍日へ送ってもかまいません。ひと月のうちに何度もめぐってくるので、待つ期間はそれほど長くなりません。
Q. 一年に何回くらいある取り合わせですか
年ごとに差はありますが、両方とも数の多い注記なので、ひと月に一度前後は現れます。一日も立たない年はまずありません。
Q. どちらの注記を先に見ればよいのでしょうか
暦の側は答えを用意していません。両方を手帳に書き留めておいて、半年後に自分がどちらを気にしていたかを確かめてみると、自分の物差しが見えてきます。
出典
- 江戸期の民間暦に並んだ暦注下段の項目数についての解説
- 選日および不成就日の算出方法を示した暦書の記載