
日取りの理由を人に伝えるとき、どこまで話せば納得してもらえるでしょうか。
この日には、出どころの違う吉日が二つ並びます。一粒万倍日は干支の組み合わせから拾う選日、大安は旧暦の日付から割り出す六曜です。別々の暦から来ているので、同じ日に落ちるのは偶然にすぎません。
それでも、日取りを決める場面ではこの二つが揃う日がよく候補に挙がります。理由は効き目より先に、話の通りやすさにあります。大安の名前は暦に関心のない人でも知っているので、日を決めた理由をくどくど述べずに済みます。
一粒万倍日と大安が並ぶ日でわかる3つのこと
- 二つの暦注が同じ日に巡るのは、それぞれの周期が重なるためです。
- 相手のいる予定を決めるのに向きます。 名前の知られた大安が乗っているので、説明の手間が減ります。
- 続く形の手続きを置くと、この日らしくなります。 一日で片づく用事より、明日以降も残るもののほうが合います。
重なった日に置きやすい4つのこと
- 積み立てや定期の申し込みなど、続いていく手続きを始めます。
- 名刺や口座や屋号など、これから使い続けるものを用意します。
- 人と予定を決めます。 日取りの理由を尋ねられても答えやすい日です。
- 財布や仕事の道具を新しくして、使い始めの日にします。
特別なことをしなくても構いません。前から迷っていた小さな申し込みを一つ済ませる、それだけでこの日らしい使い方になります。決めたことを手帳に残しておくと、次に同じ組み合わせが来たときに前回何を始めたのかを確かめられます。
六曜は割り算で決まる
大安の並び方は、そう難しい話ではないのです。六曜は、むかしの暦の月の数と日の数を足して、六で割った余りで決まります。 余りが〇なら大安、一なら赤口、というふうに順番が割り当てられていて、神秘的な判定は入っていません。
旧暦の月が替わるところで並びが飛ぶのは、月の数が変わって足し算の答えが動くためです。カレンダーの上で六曜が急に順番を崩したように見えるのは、この切り替わりのせいです。
六曜が広まったのは明治の改暦のあとで、比較的新しい習わしです。公の暦には載っていません。一方の一粒万倍日は、江戸のころの民間の暦にすでに並んでいました。由来も年代も違う二つの物差しが、たまたま同じ日を指しているというのが実際のところです。
「増える」という言葉の裏側
吉日が重なると、つい予定を詰め込みたくなります。ただ、一日で片づけた手続きより、翌日以降も続けられる仕組みのほうが結果に効きます。日取りは入口であって、成果まで引き受けてはくれません。
もう一つ、一粒万倍日は増える性質で語られるため、支出や契約を軽く決めてしまうと、その負担も同じ理屈で膨らみます。条件を読まないまま申し込むようなことは、吉日かどうかと関わりなく避けたほうが無難です。
暮らしの中で試すなら
相手のいる予定では、「この日が大安だから」と伝える前に、移動や仕事の都合も一緒に確かめましょう。「この日と翌週なら、どちらが動きやすいですか」と候補を二つ出す形でも構いません。日が決まったら、集合場所や必要な持ち物まで一通の連絡にまとめます。縁起のよさを、当日の過ごしやすさへつなぐ支度です。
よくある質問
Q. 二つの吉日が重なった日はどう使えますか
暦の側に、吉日が並んだときに効果を足す規定はありません。便利なのは、両方の説明で差し支えのない日として、周りの人に日取りを伝えやすいところです。
Q. 結婚式の日に選んでもよいですか
大安が乗っているので、式場の予約も相手方への説明も進めやすい日で、人気のある日取りなので、費用や空き具合は早めに確かめておくと安心です。
Q. 一年に何回くらいありますか
一粒万倍日が年に四十回ほど、大安が年に六十回ほどなので、揃う日は毎月のように現れます。急いで押さえる必要のある日ではないでしょう。
出典
- 各種暦書における選日(一粒万倍日)および六曜の一般的な解説