整えられた冬の寝具と、細長い窓の向こうの満月
家の中に、安心して休める場所を整える。
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段取だんどりをこなしている最中に、なぜか涙が出そうになる。そんな夜があります。

蟹座かにざの満月は、年の区切りに近い時期に巡ってきます。この星座が受け持つのは、家、家族、居場所いばしょ、そして安心したい気持ち。守護星しゅごせい(星座ごとに割り当てられた惑星のこと)は月そのものなので、月が自分の星座で満ちる形になり、感情の動きが普段より近くに感じられると説明されます。

この満月がわかる3つのこと

  1. やってくるのは一月ごろ。 山羊座やぎざに太陽がある時期、その反対側で月が満ちます。
  2. スーパームーンは、月が地球に近づいた回の満月。 見かけの直径が最大14パーセントほど大きくなります。
  3. 山羊座側は社会の役割。 仕事納めや年始の挨拶、親族しんぞくの集まりのように、立場がはっきり求められる時期と重なります。

外での役割を果たしている最中に、家のこと、体のこと、寂しさのことが急に前へ出てくる。それは弱さではなく、天秤てんびんの片側が長く空いていたという合図として読めます。

世話をすることと、抱え込むこと

蟹座は面倒を見る力に長けた星座だとされます。だからこそ、この満月では世話と抱え込みの線引せんびきが話題になります。

見分け方のひとつは、相手が頼んだかどうか。頼まれて動いているなら世話ですが、頼まれる前に先回さきまわりして背負っているなら、抱え込みに近づいています。もうひとつは、やめたときに何が起きるかという想像です。「自分がやめたら回らない」と即座そくざに思い浮かぶなら、その役割は重くなりすぎています。

役割を数え直す4つの手順

  1. いま自分が引き受けている役割を、思いつく順に並べる
  2. そのうち、頼まれていないのに引き受けたものに印を付ける
  3. 印が付いたものから、今夜ひとつだけ手を止めてみる
  4. 誰かの世話をしない一時間を、自分のために確保する

四つめがいちばん難しい人が多いはずです。難しいと感じた事実そのものが、この満月に見ておきたい情報になります。

家族への期待を緩める、という言い方もよく出てきます。ただ、期待を捨てなくて構いません。緩めるのは要求の細かさのほうです。同じように連絡してほしい、同じように片づけてほしい、という水準を一段だけ下げると、相手を責める回数が減ります。自分の中の小さな自分を扱う考え方はインナーチャイルドのページへ。

スーパームーンという言葉は誰が作ったのか

意外に思われるかもしれませんが、スーパームーンは天文学の正式な用語ではありません。

この言葉は、アメリカの占星術せんせいじゅつ家リチャード・ノールが1979年に星占いの雑誌で使い始めたものだとされます。定義ていぎは「新月または満月が、近地点きんちてんまでの距離の90パーセント以内にあるとき」というものでした。その後、報道や天文の解説で使われるうちに一般化し、いまでは天文台の案内にも登場します。ただし、どこまでを含めるかは媒体によって違い、年に三回とする数え方と四回とする数え方が並んでいます。

つまり占星術の側から出て、天文の側に借りられていった言葉です。記事によって日付が違う理由も、ここにあります。

どのくらい大きく、どのくらい明るいのか

月の軌道は円ではなく楕円だえんなので、地球との距離はつねに変わります。もっとも近づく近地点では平均して約36万3千キロメートル、もっとも離れる遠地点えんちてんでは約40万5千キロメートル。差は4万キロほどあります。

この差によって、満月の見かけの直径は最大で14パーセントほど変わります。明るさの差はもう少し大きく、遠地点の満月と比べて約30パーセント明るくなります。光の量は距離の二乗に反比例するので、距離の差より明るさの差のほうが目立つ、という理屈りくつです。

もっとも、14パーセントの直径差を肉眼にくがんで見分けるのは難しいと言われます。比較する相手が空にないからです。「今夜の月は大きい」と感じたとき、その正体しょうたいは多くの場合、地平線近くの月が大きく見える月の錯視さくしのほうでしょう。こちらは距離ではなく目と脳の性質による見え方で、スーパームーンかどうかとは関係なく起こります。

距離が近づくことで実際に測れる変化としては、潮の満ち引きがあります。満月や新月のときに大きくなる潮位ちょうい差は、月が近地点にあるとさらに大きくなります。海のそばに住んでいる人には、体感できる違いのある夜です。

予定の多い夜に、休む時間を用意する

年末年始やその前後は、人と会う用事が重なりやすい時期です。月を眺めたい日は、帰宅後に少し座れる時間も残しておきましょう。

翌朝の支度したくを先に済ませ、温かい飲み物や掛け物を用意しておく。家の中で落ち着いて過ごせる場所を一つ整えると、月を見た後もゆっくり過ごせます。

家に戻る過ごし方

過ごし方の中心は、外に出ることではなく戻ることです。

寝る場所を整えるだけで十分です。枕の位置を直す、寝具しんぐを替える、部屋を暖める。ここで整えたものは、翌日以降も効き続けます。食事も、手の込んだものより温かくて飲み込みやすいものを選ぶと、この星座らしくなります。

窓から月が見えたら、大きさを測ろうとせずにそのまま見てください。数字で確かめられる違いは小さくても、家の中から見上げた月が印象に残るかどうかは、数字とは別のところで決まります。書き残すなら、守りたいもの、抱えすぎていたもの、今夜戻る場所。その三つだけで足ります。

暮らしの中で試すなら

家の役割を数えるときは、「夕食を作る」の中にある献立決め、買い物、片づけも分けてみます。頼みたい部分が見つかったら、その一つを言葉にして家族へ渡します。全部を任せられなくても、休む時間を作るために相談したいことが具体的になります。

よくある質問

Q. スーパームーンは年に何回ありますか

数え方によって三回とも四回ともされます。どこまでを含めるかの基準が媒体ごとに違うためで、どれかが間違いというわけではありません。

Q. 大きさの違いは写真で分かりますか

同じ焦点距離で撮って並べれば分かります。肉眼で一晩だけ見て見分けるのは、比べる相手がないため難しくなります。

Q. 潮の変化は本当に大きくなりますか

なります。満月や新月に大きくなる潮位差が、月が近い位置にあるとさらに増します。海辺では体感しやすい違いです。

出典

  • 国立天文台による月と地球の距離、および近地点と遠地点についての解説
  • 満月の見かけの大きさと明るさの差を扱うNASAの解説記事
  • スーパームーンの語がリチャード・ノールにより1979年に提唱された経緯けいいについての各種記述
  • 月を守護星とし家庭と情緒じょうちょを受け持つ星座として蟹座を読む占星術の慣例かんれい